2016年12月7日水曜日

2016年板鰓類研究会シンポジウムレポートその1(アカシュモクザメの飼育)

 2016年板鰓類研究会シンポジウムレポートその1

 泳げハンマー! 苦節40年の道のりと飽くなきサメ飼育魂


 レポートコラム、今回は図らずも発表者の方から前回(注:2012年シンポレポート)のご感想をいただく機会に恵まれ、ありがたいやら申し訳ないやらです。
 普段は『中の人』と会ってがっかりされるのを恐れて控えめな交流で細々やっております。科学的知見もサメ知識も浅いオッサンです。
 140人超も参加者がおられて、発表へのレスポンスがないわけはないので、私のレポートする意味もずいぶん薄れてきたように思えます。
 すでにこのサイトは『オワコン』だと。

 なので、あまり期待されませぬようにお願いいたします。
 さて頭から順に…と行きたいところですが、今回はランダムにというかやりやすい演題から参ります。
 というわけで、シンポジウム午後イチの演目、第二会場ともなりました「東京都葛西臨海水族園」の発表から参りましょう!


葛西臨海水族園での板鰓類飼育展示の試み 東京都葛西臨海水族園

 葛西臨海水族園は、東京都江戸川区の荒川河口の埋め立て地に開発された1989年設立の海浜公園内の水族館です。
 バブル期のウォーターフロント開発が各地でやにわに興りましたが、その最たる例です。
 私も何度も訪れた同園ですが、敷地の広さと開放感あふれる園内の様子に、いつも圧倒されます。

ウォーターフロント再開発の象徴、水族園エントランス

 サメについては、エントランスのエスカレーターを降りてすぐの「大洋の航海者」という200tの水槽コーナーでツマグロやクロガネウシバナトビエイとともにアカシュモクザメの群泳を見ることができます。正式に数えたことはないですが少なくとも5個体以上としても、国内指折りの多さですね。 



 こちらで見られる複数個体の飼育展示は、今でこそ珍しくはなくなりましたが、やはり飼育の難しい種で水族館のサメレベルを計るにはうってつけの種類です。(ここに以前はスミツキザメというサメもいました)

 こちらのサメ飼育の原点ともいうべき、悲願であったアカシュモクザメの飼育メソッド確立にまつわるお話から、さらに飼育の難しい種類のサメを展示することへの挑戦の履歴も合わせて発表してくださいました。

 葛西臨海水族園は東京都が運営する(現在は指定管理者制度による)公園施設で、前身は恩賜上野動物園内の水族館であったそうです。動物園附設の水族館から独立する形でこの水族館構想が生まれたとのお話です。

 ※超余談ですが20年近く前、上野時代のアカシュモクザメを収めた写真が新聞に載せられた時に、さかさまであったためそれに憤慨した私が新聞社へ抗議の手紙を書いたことがあります。 (←困ったサメファンですね)
 担当部署の方が訂正とお詫びの返事をくださり、以後は海遊館飼育の立派な写真が使われるようになりました。しょうもない話ですみません。 
アカシュモクザメのいる大洋の航海者水槽(小)はいつも人気

 さてサメについても、このアカシュモクザメは40年前の当時からの飼育挑戦種で、この頃の全国的な飼育日数の平均が27日だったそうです。
 ひと月に満たないということはやはり飼育の上で何らかの問題を抱えているということになるでしょう。

 葛西臨海水族園では、この問題への試行錯誤をいくつも経てきた歴史があるのです。

 まず、アカシュモクザメを取得する環境から。
 飼育を始めた往時では、アカシュモクザメは、主に小笠原諸島の父島でコンスタントに得られたそうです。(恐らく縦はえ縄漁でしょうか)
 しかもその年生まれ(当才魚)なので、40センチという比較的サイズの小さいものだそうです。
 魚体の損傷もほぼなくかなりいいコンディションであるでしょう。
 さて捕まえたサメ、同じ東京都とはいえかなり離れた場所から水族館まで運ばねばなりません。

 まず運ぶための道具、輸送用の水槽が必要ですね。船で運ぶとして生け簀にドボンと漬けた場合、水質を維持しながらサメを安定させた状態で運ぶことは難しいでしょう。
 酸素が足りないと窒息、汚染が進むと病気や生理機能の低下、さらに呼吸のための遊泳できる広さも必要です。
 運搬の都合を考え、船舶の生け簀でなく、直接水族園へ運べる移動可能な水槽であることも必須です。

 そこで6tの円形型水槽を作り運んだのですが、アカシュモクザメは水質を維持し、運んだにもかかわらずかなり衰弱していた様子。

1m前後ながら、力強い泳ぎを見せるアカシュモクザメ


 6tの水槽を運ぶ海路はかなりの時化で(太平洋のど真ん中)、波にもまれるたびに水槽内の水も揺れ、アカシュモクザメが船酔いと壁への衝突を繰り返していたことが分かりました。シュモクザメ類は特に、頭部に感覚器官が詰まっており、目や鼻先といった生きる上で欠かせない部位もかなり突出しています。これらがぶつかり続けるとどうなるか…。急所をやられるようなものですね。

 揺れと衝突。これはタンク内の空気を確保するために開けていた隙間によるものでした。
 そのため揺れをもろに受けていたのです。上野時代の限界はここまでだったそう。

 なので、空気の層をなくし、水槽内を水で満たすことでゆれそのものを解消することに至りました。今では九州産を陸路で運ぶ方法をとられているとのこと。
 輸送の問題はひとまず解決。

 さて無事に運べたら、今度は水族園の用意する環境に馴れてもらわねばなりません。

 頭で舵を取るシュモクザメ。狭い水槽ではだめですね。200tの水槽は、子どものシュモクザメにとってはまずまずの大きさ。
 しかし、水の流れに沿う力、背く力この強さが強すぎたり弱すぎたりしてもいけません。
 流れが速いと泳ぎ疲れたりし、方向を制御したりすることが難しくなります。かといって流れが弱いと今度は、呼吸のための遊泳で常に泳ぎ続けることの負担にもなるでしょう。
 つまり泳ぎ疲れない制御しやすい流れをある程度の速さに保たねばならないということになります。
 この点をいくつも試験を繰り返し、シュモクザメにとってより過ごしやすい環境を探り当てることに成功したそうです。さらに照明についても、刺激しすぎないよう角度や強さを調整することで、シュモクザメのストレスを減らすことにも成功しました。
 文面ではさらっと書いてしまう内容ですが、恐らく多くの骸を見送る中で、日々試行錯誤を繰り返し人間の側がサメにすり寄ってご機嫌伺いをすることで、よりよい環境を見出せたことに他なりません。講演中、アカシュモクザメでは特に餌付けについては触れられてなかったのでその点は大きな苦労は少なかったのでしょうか。

 ○○したから大丈夫だという限定的な飼育でなく、どうすればアカシュモクザメが過ごしやすい環境を提供できるのか、問題を常に解決しながら進もうとする確実性の積み重ねの上に、今水族園で縦横無尽に泳ぎ回る元気なアカシュモクザメの姿が見られるのです。

 今では大阪海遊館、名古屋港水族館、アクアワールド大洗、マリンワールド海の中道、須磨海浜水族園、江ノ島水族館といった各地で、私が知るだけでも安定的に飼育できている園館がいくつも見られます。

 なので今は当たり前に見られるサメであっても、その飼育方法は犠牲と試行錯誤の連続を経て獲得しうるのだと改めて理解できました。

 飼育の現場は「生き物を生かす」という、最大の結果を残すことが問われます。
 我々観客は、ほとんどこの結果のみしか見ることができません。
 なので、短絡的な見方をしてしまいがちですが、目の前にいる生き物は例外なく人の手によってもたらされた奇跡の瞬間の延長線上にあるのです。
 そのルーツをたどるような発表は、「わがままな観覧者上等!」の啖呵のようでもありました。

 しかし、飼育は何年出来たから成功、というもではなく引き合いに出しますと、海遊館の西田館長曰く、「繁殖ができて、初めて認められたような気がする」と貪欲です。
 私もアカシュモクザメの成熟個体同士が水槽内で繁殖し、継代飼育できるようになればよいなぁと思う次第です。
 果たしてそんな日は来るのでしょうか。葛西臨海水族園での取り組みを見ていますと案外絵空事のような気がしないのです。

 他にも葛西臨海水族園は、外洋性のサメ類(ヨシキリザメ、イタチザメ、マオナガ)、深海ザメ(ラブカ、ミツクリザメ)の飼育の試みについても取り組んでおられます。もって1週間というさらに飼育の難しいこれらの種ですが、日数の記録を着実に伸ばしつつあるとのことで期待せざるを得ません。
 特に深海ザメは、深海100mの水圧を再現する圧力容器や圧力水槽といったツールでの試みがされているそうです。

 これらのサメは搬入のたびにニュースになり、それ目当ての来館者もあるでしょうから、「需要」の上に成り立つ展示なのです

 私はこの辺の子細を見分けたくていろいろ情報に触れますが、ただ気紛れな需要を満たすための展示でなく、一本筋の通った取り組みであることもまた知らせて欲しいものだと思いました。
 「今回はここがだめだったので次はこうします」、というその過程であるならば、珍しいから入れただけという姿勢と違ってはるかに意を汲み取れます。
 某園館はそういった苦情の多さで、貴種の飼育挑戦に及び腰になられたりもしたと聞きます。
 真摯に取り組む姿が見えるならばこういった心無い声もトーンダウンするでしょうし、支持する声も高まることでしょう。

 私はだから生き死にの問題は仕方ない、ただ次があるならそのために、試行錯誤の途上ならそれも知りたいのです。今回は、そういった一サメファン興味に応えていただけた発表でした。

 いつか訪れる奇跡の瞬間。
 水槽内で元気に泳ぎ回るサメの姿、それを望むサメファンがいないはずありません。

 次回は未定ですが、ヨシキリの飼育についての発表が濃厚です。

 

2016年12月4日日曜日

2016年日本板鰓類研究会シンポジウム参加報告

2016年 日本板鰓類研究会シンポジウム

於:東京都葛西臨海公園内ホテルシーサイド江戸川(東京都江戸川区)

 主催:日本板鰓類研究会 
 共催:東京都葛西臨海水族園、長崎大学水産学部、東北大学三陸水産研究センター

 2016年12月3日、東京は葛西臨海公園内のホテルを会場とし、サメ・エイに関するHOTな研究テーマを引っ提げて研究者が集い、サメへの興味関心を抱くあらゆる分野の人々が集結した

「日本板鰓類研究会シンポジウム」。

会場となった臨海公園内ホテルシーサイド江戸川

 今回は140名の参加者との主催者発表で、ホテル内のセミナールームという広めの会場ながら、密集陣形での聴講と相成りました。これまでに比べても濃厚なシンポジウムであったと余韻に浸っています。(当方3回の参加ながら…)

 まずは、本シンポジウムの開催に当たってご尽力された皆様、長崎大学の山口先生や三陸水産研究センターの後藤先生、研究会スタッフの方々、会場となったホテルスタッフの皆さん、シンポジウム後の会場となった葛西臨海水族園スタッフの皆さんに一参加者として感謝をいたしたいと思います。
 温かい「おもてなし」本当にありがとうございました。

 またHaieの「中の人」と個人的に交流をお持ちいただいた皆様、
 (お誘いいただいた豊橋市自然博物館Sさん、シャークジャーナリスト沼口麻子さん、東京海洋大学のKさん、長崎大学研究センターのNさん、日本大学のT先生、茨城ミュージアムパークのTさん、静岡県エラスモブランチのMさん、北海道大学のFさん、SNSサメ仲間Nさん)
 ご歓談の機会をいただき、とても楽しかったです。またお会いできればよいですね。


右上よりサメキュートバッグ(米産)、シンポジウム概要(ガンギエイ)、Haieサメリスト、右下よりサメ閻魔帳(聞き書き帳)、台湾研究者謹呈の記念ポストカード、ネコザメクリヤファイル(葛西水族園謹製)、沼口さん主催のサメクリスマスイベントチラシ(出来立て!)

 さてシンポジウムは、サメ・エイに関わる研究22題のボリュームで朝9:20から始まり、16:30頃まで3回の休憩をはさんでのタイトなスケジュールながら、参加者の方々皆さん長丁場を集中して聴き入られたほど内容の濃いものだったように思います。質疑も出来る限りの時間でいくつもあり、興味の度合いがどの回もうかがえました。ポスター発表や懇親会でのライトニングトーク(研究プレゼン)も盛況でした。(最終20:00、皆さんお疲れ様でした)

 もちろん私Haie(非研究者)の理解の及ばぬ部分も多々ありましたが、サメの研究が進みその謎が明らかになりつつあること知るのはとてもエキサイティングで時間がたつのがあっという間でした。(京都から4時起き朝駆けしても…)
  
日本の心「Fujiyama」:朝イチの新幹線より

 分類学、バイオロギング、水産、生理学、医学、飼育研究、遺伝子などなど…発せられる言葉一つ一つからサメ・エイに真摯に向かわられる情熱が伝わりました。

 ざっと紹介いたしますと、サメの分類(増えたり減ったり忙しい、当リストにないサメも多い!やばい!)、サメの身体機能の解析(心臓の機構、熱交換システム、生殖能力と特性…サメは身体も特別な存在!)、生態系の中の地位とヒトとの関わり(深海の主へのリスペクト、食害との関係と実態…サメは必要不可欠(鱶だけにネ!)、また水族館を中心とした飼育に関するテーマも大変興味深いものが多かったです。
 この関係は現会長仲谷一宏名誉教授も強化したいと冒頭挨拶の中で述べられていました。

 呼応する形で、懇親会のあいさつで水族園副園長さんが飼育に関して、「『サメ・エイを見たい!!』と皆さんが声を上げることでそれは必ず実現できると信じている」とのお話が胸に残りました。多くの方の知りたい気持ちが支持となって、研究と理解につながるとの思いが伝わりました。

 僕らはもっとサメを知る必要がある! それはこの地球の先輩であり、海の大事な調律者であり構成員であるサメやエイに対する正しい知識と興味によって研究が進めば、ヒトの鑑となりえる存在として確かなものであることが明らかになるからだと信じています。

 学びましょう!サメとヒトと生かされるすべての生き物のために。


 レポートはぼちぼちあげていきます。(このブログ中心になると思います)どうぞよろしくお願いします。
 ここまでお読みになったみなさん、ありがとうございます。
 私と画面を通してサメの価値を知る旅に出かけましょう。ほんの少しの間ですが…。



過去のレポート
2012年 海遊館でのサメシンポジウム
2004年 東大でのサメシンポジウム

 また今回は交流いただいた研究者の方にコラムレポート更新を期待するお声をいただき、非力ながら好印象のご反応を直にいただけたことが何より嬉しいお話でした。(拙い理解力で申し訳ないと思いつつ…過去のこちらのレポート「イタチザメの遊泳特性」)
 2012年シンポジウムレポートは中座してしまいましたが、今回も出来る限りのレポートに挑戦したいと思います。リクエストをお寄せください、やります!

(…多分)

 どうぞご反応などお寄せ下さい。「中の人」のやる気が出ます…ので。
 あと、会場内の撮影を原則禁止されましたので、画像は控えめになると思います。ご了承ください。


2016年6月21日火曜日

サメ全種類リスト更新。ただし新種一種のみ。

 2016年、サメの情報をあれこれチェックしてますと、ニュースレターのチェック漏れで今年の1月だかに学術誌Zootaxaで、トラザメの新種が記載されているのが分かりました。

 フカく!
 じゃなくて「不覚」。

 2016オリンピック開催地「リオ・デ・ジャネイロ」 の沖で捕れたトラザメ属の1種で、学名を「Scyliorhinus cabofriensis」と名づけられました。(added "sp. nov")

 http://shark-references.com/species/view/Scyliorhinus-cabofriensis

 大西洋沖、南米産で知られる種、Freckled catshark(Scyliorhinus haeckelii) とよく似た種ですが、カラーパターンやクラスパー、神経頭蓋に違いがあるようです。いわゆる隠ぺい種(今まで同じにされてきたけど違う認定)の扱いなのでしょうね。
 昨年見つかった新種、Dark freckled catshark(Scyliorhinus ugoi)もかなりよく似た種です。同じ海域で毎年新種が出るのはいかがなものか。

 望星丸のサメ・エイ対談で、東海大学の田中彰先生がおっしゃっていた、最初にきちんと種を分けておかないと、あとで研究がパーになるという話にも通じそうです。
 田中先生の場合は、「フジクジラ」でしたが。

 つまりは違う種を一緒くたにして研究してしまった場合、研究としては不完全なものになるのだそうです。
 タイプ標本という、いわゆる種を見分けるうえで参考にする見本となる標本の段階で、混同されてしまうと台無しになるとのことでした。

 先生曰く、違う種なのに群れで入り混じった状態で大量に捕れるので始末が悪いなんてぼやきもありました。

 最近の新種発見の傾向は、このようなものが多くなっている気がします。
 同じとされたものが実は違うという、新種あるある。

 他方、1976年に見つかったメガマウスのような、とんでもないサメは海のどこかにいるかもしれません。
 でも私たちに知られることなくひっそりと種が絶えることも否定できません。
 なぜなら私たちは、研究が進んだとはいえ、まだサメのことを全然知らないに等しいのですから。

 サメ全種一覧(サメサイト Haieのナカミ)

2016年5月9日月曜日

関西サメ男の会、京都サメ談話会の報告。

去る5月3日に、京都駅周辺の会議室を借りて行いました、関西サメ男の会・初オフ会「京都サメ談話会」。
 昨年にシャークジャーナリスト沼口麻子さんと企画した「京都サメ談話会」も同会場でした。

 ただ今回は沼口さんのご参加はなく、Haieが沼口さん主催の談話会やイベントでお知り合いになった方を中心にメンバーを募り、お集まりいただけたものです。(直前の大阪談話会で呼びかけていただけたことも大変大きかったです)
 私の力ではなく、沼口さんと皆さんのサメへの好奇心の高まりがこの会が開かれた源だと思えます。



 ご参加いただいた8名の方々になによりお礼を申さねばなりません。
 連休という日にも関わらずお集まりくださって本当にありがとうございました。
 皆様のおかげで本当に楽しい時間を共有することができたと思います。
 
 さて、会にご参加されなかった方のために当日の様子を少しお話したいと思います。

※参加者の個人名や所属は伏せますが、特定されない範囲でエピソードをご紹介します。

 当日は、9時に設営を開始しました。
 18年目のおんぼろマイカーにありったけの夢と希望とサメ本50オーバー(パンパン)と台車を積み込み、会場入りしました。設備の関係で会場となる部屋の変更を前日に告げられるというハプニングもありましたが、何とか事なきを得、ゼミ室のような会議室をそそくさと配置換えし、パソコンを立ち上げモニターにつなぎ、白板に今日のお題を書き連ねました。

 参加者のほぼ全員が午後の会場入りと聞き及んでおりましたので、のんびりやろうかとWebのチェックや印刷物の整理、本の陳列などをいそいそとしておりました。

 そうしますと、部屋のドアに黒い影。
 ノックをして入ってきたのは、沼口さんの大阪でのイベントでお会いし、昨年の京都サメ談話会にもお越しくださったMさん。(以後イニシャルで)
 私が思う関西屈指の沼口さんファンの方です。

  円陣に組まれた座席にご案内し、名札代わりに張るシールを胸元に付けていただきました。そしてお茶とお菓子をご用意。
 しかし、当初のプログラムは変更せざる得ず、(想定の範囲内でした)午後の参加者の方が揃ってから本番ということで談話会の組み替えをしました。

 なので、Mさんとはマンツーマンでお好きな水族館の話題などをWeb情報でモニターに出しつつ、秘蔵映像やサメ本なども交えてお話しいたしました。
 普段ここまで話せる人がいないとおっしゃるMさん、私も同じです。
 話題は尽きませんが、気がつけばお昼時。

 当日は、普段オープンしている施設内のレストランも喫茶店も連休でおやすみとのことで、昼食をどうしようかと考えていましたところ、出前のピザをとることで凌ぎました。
 二人でピザをつまみながら、サメ談義。そういえば、3日前の談話会でもピザ食べていたなぁ。ピザとサメ話は合うのかも。

 食べ終えた頃に、午後の参加者の方々も集まりはじめ、会を本格的に始めることに。会場代を人数で分担する方式で、シンプルな設定でやりました。
  皆さん、差し入れやお土産ありがとうございました。こちらでご用意したお菓子がほぼいらないくらいでした。感謝です。(最後はおみやげとしてシェアしました)

 イベントは、サメ好きの皆さんひとりひとりのプロフィールを質問に答える形で話題を掘り起こし、聞きつつ会話もする体裁をとりました。

 従前の談話会では、自己紹介は軽めでテーマに沿って、割とサメに詳しい方ペースで話が進む形式でした。話の流れができやすい反面、お話があまり出来ない方も出てしまうので、せっかく集まりながらもメンバー同士が交流を持てないのが私としては残念でした。

 なので必ず場の中心になるようローテーションで語る場を設け、皆さんに応じてもらうことでサメについて語りつつ自らのサメ好きもPRして、仲良くなってもらおうという趣旨で始めました。

 サメ好きの10の質問という形で私が司会をし、オープンディスカッション形式で進行しました。
 例えば、サメの印象的な水族館はどこ?、という質問から、「私もそこです!」「まだ行ったことない」「見どころは?」「どんなサメがいる」と、聞き手からの質問にも応じて場合によってはサメ本やオンラインのWebをモニターで表示しながら、情報を補足し、全員の理解を得ながら進行しました。
 特に込み入った話題では、この展開で皆さんのおいてけぼり度は格段に低くなったと思っています。

 でも司会の私がおいてけぼりになり、「バレンシア地方」を「マレーシア」と聞き違える度アホぶりを発揮してたり、司会には向いてないことが図らずも露呈しました。(外回り久しく、普段はPCがお友達な仕事ばかりです)

 そんなこんなで8名の方に入れ代わり立ち代わり話題を提供し、それを元に話を深め、意見を述べたり詳しい方から補足をいただきながら、 非常に濃い談話会となりました。
 でも私の方で画像や資料をすっとご用意できなくて、もたもたする場面もあり、流れはあまり良くなかったかもしれないなと思う場面も。次回に生かしたいですね。

 参加者の方々は40代男性4名、30代男性2名(うち私)、20代男性、20代女性となりました。ほとんどの方が沼口さんのイベントを通してお知り合いになった方です。

 それでも特に 他のサメ好きに誘い合わせてこられた方でも、ジョーズやサメ文学の話題やサメそのものへの疑問にお答えする場もでき、サメを知らない方でも話題の中心になってお話を展開することができてよかったと思います。曰く「不思議な空間」とおっしゃられ、サメ好きの織り成すトークの魅力を感じられたのではないかと思います。

 またすべての方が関西在住ではなく、首都圏や別の地域から来られるので、この会としても「関西在住」「関西出身」「関西のサメ情報に関心がある」ことでオープンにやっていきたいところです。
 なにより「サメ情報の共有」と「サメ好きの交流」という2点を目標に、「ただサメを楽しむこと」を実践していければとの思いです。
  また「サメ男(おとこ)」と冠していますが、女性の参加者も募れる寛容さを皆持っていますので、会の名前の裏切り度がハンパない状態です。

でも、これでええんや。

「サメが好きやったらそれでええねん」 という身もフタもないユルさを維持していけたらいいなと思っています。

 私自身は会の世話人(代表とか会長ではなく)として、場を作ることに専念できればいいなと思っています。私も皆さんのお話を聞いて、サメ好きとしての姿勢や楽しみ方、知識の向上と立場の共感をできたと思っております。
 サメが好きでも、サメを断たないといけなかった経験を持つ方に、私もそんな時期があったと出戻り組として痛く共感したり、水族館のサメ展示はどうあるべきかやサメ好きは何をすべきかという議論もしてみたり、グッズやイベントの情報共有もできたりし、まるで合宿のような雰囲気でした。

 しかしイベントの時間は限りあるもの。
 熱のあがった談話は、17時でお開きに。撤収作業の後(皆さんご協力ありがとうございました)、懇親会と称して近くの居酒屋で延長戦をやるお決まりのパターンで余韻に浸ったのでした。

  何より連休の谷間で、これだけお集まりいただけるとは思いませんで呼びかけ人としてはほっとしたというのが正直なところです。

 いろいろ課題はありますが、まぁ集まりたい時に集まれるよう調整して、やりたいことをやるで、しばらくやっていけたらいいなと思っています。
 また、今回ご参加を見合された方もご希望があればそれに応じて会を運営していきたいと思っています。サメビギナーの方でも敷居は低く、コアなマニアもディープに。なかなか難しいですが、サメが好きという根っこでつながれば、サメ好きとしての自分の行動にも自信とパワーが出てくることと思います。

 積極的にサメを知り、そして楽しむ。知識はさほど重要ではない、サメを楽しむ心こそが、この会の言わんとするところです。あんまり大きな会にならず、マイナーにボチボチやれればいいですね。
 しかし、イベントってやる側の苦労がよくわかりました。沼口さんにあまり迂闊なことが言えなくなるなぁ。いつもいろいろ大変なことをされている、そう思います。
 皆さんも沼口さんの会に参加される時は、労いの心でお願いします。

 ちなみにこの会は、ビジネスでなく有志の集まりなので、HaieはHPの宣伝ができるくらいのメリットです(アフィリエイトは張ってませんよ)。またいろいろ企画して、ブログをご覧の方でもご参加くださることを望んでいます。
(今はFacebook中心ですが)

 私はサメ好きのあなたに会いたい、そしてサメ好きとして時間を共有したい、心おきなくサメについて語る場であればと思います。
 Haieは、普段は電車通勤のどこにでもいるヒラなシャーインです。偉い肩書は何もないです。サメに関する仕事をしているわけでもない。

 そんな人間でもサメが好きということでつながれる。それが「関西サメ男の会」なんです。

2016年4月25日月曜日

泉佐野でフカの湯引きを学ぶ(シロザメの調理)

関空を臨む泉佐野港

海の博物館(三重県鳥羽市)でのサメ展で、サメの食文化について学芸員の方に話を伺った時、全国のサメ食について調べる機会がありました。

資料を漁るうちに、大阪でもサメ食が根付いている記述を見かけました。

私の脳裏に浮かぶ大阪人のサメ食は、「かまぼこ」。
それは落語から得た知識で、雑魚扱いされ練り物にするほかないサメは「外道」という見方でした。

しかしそれは大阪府下においてはどうも異なり、泉州では「フカの湯引き」というものが根付いているらしいのです。
そして現在でもサメは割と上等な扱いを受ける代物であることがわかりました。

 泉南地方では、大阪湾での漁業が営まれており、漁協などが運営する場外市場もそれぞれに開かれています。
 休日には安くて新鮮な大阪湾の魚介類を求め、近隣の方が利用されるようです。

 もしかしたらサメが見られるかもしれない。

 フカくじつな思いを抱きながら、京都から南海電車を乗り継いでやってきました泉佐野。
 駅前から出ている休日運行の無料巡回バスのルートで、う回気味に10分ほど乗れば「泉佐野青空市場」という停留所からアクセスできました。

 午後一時ごろでしたが、駐車場はほぼいっぱいで、にぎわっておりました。日曜に出漁はないにもかかわらず市場には多くの客と魚介が並んでいました。

 

 30近い店舗が建物内で一本の通路に向かい合わせで肩を並べ、呼び込みもにぎやかに活気づいていました。
  並んでいる魚を見ますと「イヌノシタ」「メタガレイ」「ガッチョ(ネズミゴチ)」「コウイカ」「トビアラ(サルエビ)」「手長(テナガダコ)」「シャコ」「ハモ」「ミヤコボラガイ」「ツメタガイ」と砂泥に生息するであろうバラエティ豊かな魚種に驚かされます。
 あまり大きな流通に乗ることのないこれらは地元での消費に回され、府外の人間はまず知ることはないでしょう。
 

 目移りしながら市場を見まわします。肝心のサメは…。
 パッと見、店頭に並ぶ様子はないようです。やはりだめか…。見過ごしてはいないかとまた入口から見ますと、体盤幅50センチぐらいの立派なオスのアカエイがいました。
 裏返しにされ、大きな口がのぞいています。
  値段は「1000」と手書きの赤い字で書かれています。サメがいなければエイでも買うか。
 そう思っていますと、ヤッケを着た茶髪のあんちゃんが、 丁々発止で旦那とやり取りしだしました。
   裏へ表へひっくり返し、見定めたのか札びらをさっと出すなり、アカエイはビニール袋にズボッと収まり、意気揚々とあんちゃんは引き揚げ。キップの良さから察するにそれが目当てであったことはたやすく理解できました。

 自分はあんなふうに買えんわ、と思って他の魚を見てますと「手長(ダコ)が旬やで兄ちゃん!」とだみ声のおかみさん。
 みると、15センチくらいのタコが三匹、ザルの上に鎮座ましまし。
 今日はまけといたるし1300円を100円引きやで、せやけど生きとるの三つはしんどいなと、首をかしげつつ「サメはあらへんのです?」と聞きますと、「サメ? フカか、フカは昨日はあった!」とぶっきらぼうなお返事。

 あるのはあるんやなと安心しつつ、ないもん言われてかなんこっちゃと、おかみはうつむき、私も退散。
 そう思って隣のお店に。

 この市場でよく見かけるごつごつした貝を観察していますと、「これは塩茹でにしたらおいしいよ」とお姉さん。
 ザル二つで600円やけど、500円でどう?とやっぱりようけ買いよしとの攻勢。
 ようけはいらん、と思っていると「お試しで一盛どう?」と察してくれた。
 ほんなら一つと、お買い上げ。これはなんちゅう貝です?、と聞けば「ミヤコボラガイ」と即答。
 これは甘辛く、しょうゆとみりんと砂糖で煮てもおいしいと教えてくれました。

 丁寧に教えてくれるお姉さんに思い切ってサメを尋ねると、「サメ? フカね!そこにおるよ」。

 みると、ぶつ切りになったサメが尾頭付きでトレイの上にちょこんと載っていました。

 サメや、間違いなくサメや、いやここではフカか。
 色合いから察するに「シロザメ」。頭、胸、胴、尾っぽに分かれた姿でありました。
 値段は「1300」。あのでかいエイより高い。でも目方は3キロくらいはある。
 「それもらいます」。
ニオイもなく、美しい新鮮な白身
即断即決お買い上げ。
  ワタは抜いてあるか聞きますと、一応とってるけど少し残っているからきれいにしてあげるわ、とあつらってもらうことに。
 聞けば、買い付けてすぐに下処理をするので、鮮度は保証できると自信の回答。
 たしかに、肉を見たらまだ動いていました。血抜きなんかもしっかりやってるので全然臭くないとの話でした。
  ここまでしっかりサメの処理ができるとこが近畿にあったとは…。

 保冷剤も詰めてある、用意していた布製のクーラーボックスを差し出し、入れてもらうことに。
 処理をするまで時間かかるからちょっと見て回っておいてと、その場を離れ市場内のお寿司屋に寄ろうとすると、12組待ち。
 仕方なく、もう一往復。

 他の店も店頭と生け簀の様子を隈なく見ましたが、サメは私が買ったところにしか置いていないようでした。
 改めて聞くと、サメはそれほど水揚げはないそうで、地元では湯引きで食べるのが定番、煮つけは聞いたことがないそう。他にも、唐揚げなんかもすることもあるそう。
 話を聞くうちに、サメのプロと大将に呼ばれる職人さんがさらに詳しい食べ方湯引きの注意点なども事細かに説明してくださいました。
 湯引きは、海水(か同等の塩水)で軽く洗い、沸騰させた海水で身ごと鍋に放り込み10~15秒ですぐに引き上げ(早いかなと思うくらいで)、ざらざらの皮の部分が指でめくれる状態をたわしでそぎ落とす。
 この時、皮のプルプルしたところを残すようにしないとおいしくないそうです。
 
湯がいて表面の皮だけ捲れやすくなった状態。軽くこすればポロポロとれた。
実際に家でやってみると、表面のザラザラだけが落ち、プルプルの部分はきちんと残りました。
ここから水気を取り、5ミリから1センチ程度にぶつ切りにしたものを海水で1分少々湯がいて、氷水でしめれば、湯引きの完成です。

 
右側の皮のプルプルがイケる! ハラスの部位もいい食感でした。


 酢味噌でいただくのがベストとのこと。
 さらに私の買った身は、鮮度抜群なので刺身にもできると勧められました。胴の太い部分がいいとのこと。
 なので湯がかずに皮を削いで切り分けました。見た目はタイに似た白身で非常にきれいです。
 食感は少しスジがあるものの、タイと遜色ないムチムチ感。食べごたえある刺身でした。
貝は茹で方が足らなかったのか、あくが十分にとれずやや失敗。また挑戦しようかな。
 唐揚げも、身が思ったよりほぐれやすいので、片栗粉を混ぜるか、市販の粉をたっぷりつけた方がよさそうです。湯引き後に揚げるのもありでしょうか。

 市場できちんと丁寧に食べ方を知れば、食の豊かさはさらに増すのです。
 地モノの魚をおいしくいただくのは、ごく自然な食への関わり方で、土地の個性でもあるでしょう。
 地産地消の意味するところは、すなわちこういったことの伝承がきちっとあるかどうかなのでしょう。

 江戸前ならぬ浪花前ともいうべき泉南の魚介。
 もっともっと楽しめそうなフカい魚のワンダーランドというべきでしょうか。
 親切に教えて下さった鮮魚店「えぼし」さん、ありがとうございました。

(2016/4/25:店名を修正)

2016年3月24日木曜日

海遊館サメ講座 参加レポートその2

お待たせしております、海遊館サメ講座の続編をアップいたしました。
例によって、サメ好きのおっさんが嬉々として燥ぐ様を克明に記録したドキュメント仕様です。

海遊館サメイベントレポート その2
 
ご感想などいただけましたら幸いです。

全三回の予定でございます。次回完結編おたのしみに!

2016年3月21日月曜日

東京サメ談話会への参加(天狼院書店:池袋)

 

 去る3月18日金曜日、東京は池袋(雑司ヶ谷)にある、天狼院書店さまで、シャークジャーナリスト沼口麻子さん主催の「サメ談話会」が催されました。

 こちらでは、天狼院書店さまが趣味や目的を共通とした「部」を設けておられ、例えば、ライティング講座やビジネススキル向上などの部で定例会を行われています。その一つとして「サメ部」が存在し、サメ談話会としてサメ好きの交流や意見交換などが月に一度この場で催されるのです。
各部会の開催日に応じて書棚のテーマがあるカレンダー仕様。斬新!

 そして今回のテーマは「ネズミザメとメジロザメの違い」。いわゆるサメ界のトップスターが居並ぶホホジロザメなどの「ネズミザメ目」、オオメジロザメやイタチザメといった危なめのサメをも含む「メジロザメ目」、この2者の比較ということですね。

 以前の講座が「バケアオザメについて語ろう」なんていう超マイナー路線だったのに比べれば割ととっつきやすいテーマかと思います。


 さて私が東京に来るのはほぼ10年ぶり。しかも当時もあまり用事のなかった池袋界隈。

 宿を新横浜に設定したため、そこから向かいました。
 東横線で渋谷乗り換えしないと…「副都心線直通?」。私の知らない間に営団、もといメトロの新線が開通して会場の最寄り駅となっていたのです。便利になったもんだ。
 東京メトロ副都心線雑司ヶ谷(ぞうしがや)駅で降り、北向きに歩いて向かえばいいのですが、お店の最短最寄駅は「都電雑司ヶ谷駅」。メトロの雑司ヶ谷駅はその都電のひと駅南の「鬼子母神前駅」の乗換駅でもあるのです。ややこしい!

 東京時代は都電の走る町に住んでましたので、なつかしさと全区間170円(10円値上がりしてた!)で乗れる便利さもあいまって乗りました。せわしない街にこのようなのんびりした電車があるというのは奇跡に近いですね。
 埼玉方面からお越しの場合は、京浜東北線・南北線の王子駅から都電に乗れます。
 山手線では大塚駅でも都電に乗れます。
 千代田線・常磐線、京成線でお越しの方は町屋駅でも乗れます。
 くどいのでこの辺で止めます。(いずれも副都心線以外早稲田方向)

 そして都電雑司ヶ谷駅からのルートは、駅西側にあるコンビニのミニストップを目印にやや曲がった一本道の左側を歩いていきますと、コイン駐車場の並びに「甲州屋」という一見居酒屋みたいなソバ屋のあるビルがありまして、そこの2F部分、ビルの右側に細い階段がありますのでそこから入ります。(落語調なのはお許しを)

 穴場とか隠れ家風といったお店の雰囲気です。

 お店に入りますと右側にレジカウンターがあり、ちょっとした飲み物なども頼めます。でも1Fのお蕎麦の出前を持ってきてくれたりはしないようです。
 私はそのまま入ってしまい、あとで会費とワンドリンクチャージを払いました。 (¥3000+α)

 沼口さんが部屋の奥で厳つめの男性(店長さんのようです)とお話し中でした。少し待って話しかけますと、遠いところありがとうございますと歓待されました。私もまさかここまで来ることになろうとは…。たまたま予定が合ったので少しのぞいてみようというのが偽らざるところです。
  かねてから噂には聞いていましたが、いざ来てみると本屋さんとカフェの間くらいのスタンスで気に入った本を探しながら読みつつもくつろげるというものです。
 
 そして今回のような好事家のイベント会場にもなるフレキシブルな営業形態でもあります。

 すでに会場入りされておられる方もいらっしゃいますが…皆さん大人しくお待ちです。
  皆さんどんなサメ好き、サメマニアの顔をお持ちなのでしょうと一人ワクワクしておりました。

 常連さんばかりなのかな、と思いましたがそうでもなく、また談話会のメンバーも毎回違うそうです。たしかに店内のキャパを考えますと、10名の会合でまあまあ、それ以上となるとなかなか大変な状態かもしれないですね。
 
店内に炬燵が! 寝落ちしそうな魔の空間

 19時より私を含め10名の方がお集まりになり、談話会の始まりです。21時までお世話になります。

 まずは自己紹介から、とここで注意事項。
 沼口さん曰く、サメ好きの方は基本おしゃべりで自己紹介が長くなり、全員終えるころには終わりの時間になるとのことで、「手短に」と促され、まずは私から…(なんで!?)。

 私の場合、サメのHPを10何年やってますぐらいのあっさりしたものです。詳しくはWebで、並みの手抜きCMのようで正味2分ぐらい。
 私以外の方は、ジョーズ属性の方、水族館属性の方、生物学属性の方、ダイバー属性の方など多彩な顔ぶれでした。関東近辺がお住まいで多かったのですが、関西からも海外サメ旅行の前日というホットな方もおられ、驚きました。

 特に勇気をもってこの場に臨んだ無属性のサメ好きの方などもおられ、談話会の間口の広さを感じました。

 では本編。(やっとか)

 今回のテーマ、ネズミザメ(の仲間)とメジロザメ(の仲間)との違い。

 沼口さんがコンビーナー となって、進行、話題の提供や補足などを行い、私がフリップ持ちのアシスタントのような役回りでおりました。(どっちかいうたらスタッフ目線)

 用語説明の折には、持参のミニホワイトボードを使って字を書いたり絵を描いたりしながら、参加者の理解と情報の相互作用を確認しながら談話会は進みました。

 この2分類のサメの体の特徴から違いを導き出すことでまず話題に挙がったのは、目の特徴。
 いわゆる「瞬膜(しゅんまく:nictitating membrane)」の有無でした。(メジロザメ目では4つの科に限り備えているようです) 。なかなかマニアックなはじまりですな。
 メジロザメの仲間がもつ、これはいわゆる「まぶた」で、獲物を襲う時に目の下から薄い膜で眼球を保護する仕組みがあるというもの。まぶしくて閉じる性質はないと、先般の海遊館講座では教わりました。
  対して、ネズミザメは獲物を襲う時に眼球を保護するという目的は同じながら、瞬膜は備えておらず、眼球をひっくり返すことでそうしているとのことでした。

 これらの説明の時、書店にあるサメ図鑑などの書籍を持ち出して参照するという、本屋さんならではの活用術が生かされました。これは好都合。

  また頭部や顎の違い、体躯(ゴツさ)の特徴、そして尾びれの形状まで、話は追い及びました。
 尾びれの話題で、沼口さんからその特徴について試問を受けた時はビックリしました。不意打ちとか心臓に悪い。(答えられてほっとしましたが)
 
 私をあまり試さないで~ボロがすぐ出るから(笑) ※非研究者

 サメ勉強会ぽい流れになる感じですが、参加者の方からもぽつぽつと意見や質問も出てなかなか濃い内容で話は進みました。

 そして参加者のS氏から研究されておられるサメの歯にまつわるレジュメが配られ、歯から見る違いというものを導き出しました。当日は沼口さんが入手した「バケアオザメ」の顎標本などもありそれらを使って実際に見て触れるといった体験を通じてサメを知る機会もありました。
ドリンクを飲みつつ、本を眺め、座って語れる最強の布陣。

 そのなかで、サメの遺伝子情報ではネズミザメとメジロザメの仲間は割と近くて、ただ出現時期などがネズミザメがやや古い時代(数千万年前)なのに対してメジロザメでは数百万年前の時代から現代にいたる時期が種の繁栄のピークではなかろうかという考察でした。

 メジロザメの仲間でも特徴的な「シュモクザメ」の話題も飛び交い、シュモクザメの危険性はかなり低いとか、ヒラシュモクザメの泳ぎの特徴がユニークとか、頭の形と進化の関連性、伊豆と与那国で出てくるシュモクザメの群れの違い、はたまたシュモクザメはサメの中でも種の出現がかなり新しいということまで話題が及びました。シュモクはネタの宝庫ですなぁ。

 またシャークジャーナリストとして沼口さんが取材した神子元島のシュモクザメ調査の報告もありました。経過報告が楽しみな研究ですね。

 オフレコの情報も飛び交う中、会に参加されないお客さんと思しき方からも「チコとサメ」という古い映画の話題に反応されたり、USJのサメグッズについてなど参加者同士の話題も方々で上がり、特に私の場合、次の日に都内の水族館でどこを回ろうかと考えていたところ、居合わせた方が関係者の方でそちらにお伺いすることに。ノコギリエイ推しとのことで興味が湧きました。

 なんだかんだで時間も予定を大きく超えて盛り上がり、サメ好き同志の交流は続きました。私のHPの名刺なんか欲しがる方は少ないだろうと思ってましたら予想以上に手が伸びて驚きました。もっと刷ってくりゃよかった。

 そして例によって記念撮影。
 私は顔ばれ防止用のジンベエパペットを着用しましたが、書店の女性スタッフの方が、「カワイイー」と注目されました。なので海遊館で売ってますよと宣伝しておきました。(だから関係者じゃないって!)

 有志の二次会にもチラッと参加しました。なにせ次の日の予定もあり宿が新横浜設定なので。
 短い時間ながら、これからシロワニを見に海外へ行かれるという方に、「シロワニは統計上、人を襲ったサメ第4位ですよ」と話すなど「いけず」な情報を差し上げてみたりしていました。
 関西サメ男の会(仮)の参考にしようと談話会に臨みましたが、サメ好きの濃さに圧倒されながらも、 負けないようなサメ同士の交流ができる場をとの思いも強くなりました。

 書店のスタッフさんとお話する中で東京から京都へもこちらの天狼院書店さんは進出予定とのこと。これは何と有力な情報! 京都でも関西サメ男の会(仮)の交流の場にできたらよいなとお話をいたしました。

  持参したネタの半分も活用できず終えたのが残念な一方、サメ好きの方と広く交流ができたことは大きな収穫でした。皆さん関西訪問の折りはどうぞよろしくお願いします。

 サメ好きの皆さんからパワーをいただき、充実した時間が過ごせたように思えます。私が関東へ来る日付を設定した直後に開催日を知ったので、今回参加された方との出会いは本当に奇跡だと思います。たくさんお話しできた方も、そうでない方も、またサメ縁フカくお付き合いできればよいなと思いました。


 それはそうと海遊館レポートより先にあげてしまってスミマセン。きちんと報告しますのでお楽しみに!

2016年3月13日日曜日

海遊館サメイベント体験レポート(シャークワールド徹底解剖!)

先日参加いたしました、海遊館のサメイベント「シャークワールド徹底解剖!」のレポートの第一弾をアップいたしました。

Haieのコラム
http://www.geocities.jp/haie1976/archive/column165.html



 毎度おなじみの、サメ好きのおっさんがただイベントを楽しむ、というだけの内容ですがご覧いただければ幸いです。

 今回は、プログラムの「タッチプールのエサやり」コーナー体験でのお話がメインです。
 反応などいただきますと第二弾以降の更新が進みますので、コメントいただければ幸いです。


 ※一部のスマホで文字化けを確認しておりますので、PC環境のある方はPCでの閲覧をお勧めします。ご迷惑をおかけします。

2016年2月29日月曜日

関西サメ男の会(仮) 発足と交流ページの作成

昨日、予告通り海遊館でのサメイベントへ行ってまいりました。

定員いっぱいいっぱいでの参加者で非常に大盛況でした。
サメタッチプールエサやり見学、特別展「シャークワールド」の解説、そしてサメの解剖にマグネット作成のワークショップまで、内容盛りだくさんでした。

右上の青いものがマグネット
左は裏が海遊館のアカシュモクザメの画像のHaie謹製ネームカード



しかも当日は前日には不在だった館長さんも参戦し、現場のスタッフさんとともにサメへの情熱と生き物への愛を参加者の方へ語られました。

伝え方はたくさんあれど、伝えたい思いこそが大事なのだと、つくづく思いました。

近いうちに詳細なレポートを本家サイトに上げるつもりですのでご期待ください。



さて、かねてより関西圏でサメ好きのコミュニティの必要性を感じていましたが、連絡手段のためにFaceBook上に交流ページを開設しました。

 その名も

 「関西サメ男の会(仮)
 
 です。

イベントのたびにサメ仲間同士で私がふざけてそう呼んでいたものを採用したという安直なネーミングです。
関西在住でなくてもいい(関西出身、関西のサメ情報収集とかもね)、女性であっても大丈夫です。
サメを楽しみたい、ということが第一義です。

しかし、とうとうFaceBookにまで手を出してしまった。 どうぞお気軽にご参加ください。

2016年2月21日日曜日

京都でもサメが食える(市内周辺地域:洛外)

洛外というのは、京都市の中心部から外れた辺境の地区、つまり京都であって京都でない場所。

ある本を読んでから、住み処を「洛外」と称することにしました。
私はそんなところに住んでいます。

で、サメを食べるためにはこの辺ではその機会もなく、どこぞへ行ってシャークナゲットを食うのが関の山でした。

しかし、突然その日は訪れたのです。

京都でサメが売っている!(洛外)

家族からその言葉を聞いたときはにわかに信じられませんでしたが、いざ食卓に上ると待ち焦がれていたその身が皿に載っていたのです。

左はフライ、右は煮つけ(浅め)
今日の遅い晩餐がサメであるのは因果なものです。

実は今日、仕事の節目を迎え、部署を去るなかでとても多くの方によって自分がお仕事させていただいたのだと感じる機会がありました。

小さな手、大きな手それぞれたくさんの手が自分に力をもたらして、仕事をしていたのだと。
一人ではなにもできないからこそ、無能な自分が生きるのだなぁ、と。
本当にありがたい話です。

サメは一匹で雄々しく生きる生き物ではない、たくさんの命が受け継がれて初めて支え得る命であるのだと。そしてサメ自身は、それを知って生きているのではないかと。

味わいつつもそんな思いを抱きました。

近所のスーパーで売られていた「棒ざめ」。

東北宮城石巻港の水揚げの出自と、肉質から言ってほぼ間違いなく「アブラツノザメ」でしょう。

「煮つけ」でとの話でしたが、フライやフリッター、ソテーなんかもイケるとの情報も、昨日見かけて買うのを一旦躊躇した家族を通じて店員さんへ伝えました。
市場で買ったがいいは売るのに困っていた店員さんは大変喜んでいたそうです。

噂を聞きつけ、東北出身のお客さんが目の色を変えて買いに来たと売り場の方が話されていたそうです。

アブラツノザメはやはりおいしい。ほのかな白身の味わいは、煮つけもいいのですが、フライもかなりのもの。下味いらずで、サクッとふんわり。臭いだのなんだの言われますが、水揚げ後に下処理をきちんとできれば、他の白身魚に負けずとも劣らぬ上モノなのです。

遠い距離運ばれたこの命、私の口に届いたのは、本当にうれしい。
でも…東北で捕れた魚介の多くが東京を中心とする市場で消費されていたのに、わざわざこちらまできたのは、どういうことでしょうか。
少し気がかりです。

また新しい部署でもサメパワーで、何とか乗り切りたいですね。

でも棒ざめ一本はさすがに多いな(笑)

2016年2月17日水曜日

世界の現生サメ類とエイ類およびギンザメ類(総じて軟骨魚類)の注釈付きリスト

表題は、直訳に近い下手な私の訳です。
「Annotated checklist of the living sharks, batoids and chimaeras (Chondrichthyes) of the world」というのが原文です。

これはつまり今、世界で生きているサメ類(を含む軟骨魚類)の種類数を示したチェックリストをある科学雑誌上で公開したというものです。

元ネタはこちら

概要には、「2015年11月7日時点」で、軟骨魚類の全種は、以下のように分けられるとのこと。

軟骨魚類 総数     16目 61科 199属 1188種
板鰓類のうち、サメ類  9目 34科 105属 *509種
板鰓類のうち、エイ類  6目 24科 *88属 *630種
全頭類(ギンザメ類)   1目 *3科 **6属 **49種

サメは9目とありますが、恐らくツノザメ目のキクザメ科をキクザメ目とする扱いに乗っとっている分類のようです。(8つが長年の通説)

そしてサメは全部で「509種類」…若干少なくないでしょうかね。11月時点では、例のニンジャカラスザメ(Ninja lanternshark)は入っていないですね。

以上は、「Journal of Fish Biology」 に掲載の一部です。S. WEIGMANN博士(ドイツ人のサメ分類学者の方)によるもので、この方は2014年にも北大の研究者とともに「Apristurus breviventralis」という新種のヘラザメの仲間を登録されています。

ちなみに遡ること3年前の2013年発行の世界的サメ図鑑「Sharks of The World A Fully Illustrated Guide」では501種類が紹介されています。(新種で増えましたが、最近シノニム(違う名の同じ種)もでてましたので減ってもいます)
この図鑑、全種掲載・・・と言いたいところですが、発行時でもすべてはカバーされてはいないようです。
私もFish Baseという学名検索サイトで調べていくうちにわかったことなのですが…。

2013年当時、スマスイでサメの講義をされた田中彰先生の口からは、「541種類」との言及がありました。

そして随時更新が売りのへぼHaieの全種サメリストは…こちら
作った本人が数えていないので何種かは不明です。(560~570とかぐらいじゃないですかね)

こんな専門分野のことを書いていますが、あたしゃ単なるエディターで研究者ではないのですよ。ハッハッハ

しかし509種類の内訳が見たいですなぁ。海外原著は手が伸ばせませんです。

2016年2月15日月曜日

コロザメの期間展示(アクアワールド大洗)

日本にはカスザメの仲間は2種類3種類います。

いわゆるカスザメ(Squatina japonica)とコロザメ(Squatina nebulosa)、そしてタイワンコロザメ(Squatina formosa)です。

アクアワールド茨城県大洗水族館で、バレンタイン企画の一環でカスザメよりもレア度の高い「コロザメ」の展示が始まりました。

http://www.aquaworld-oarai.com/learning/aquaworld-friends/17248

なかなか飼育の難しいサメだそうで、その辺のこともあってか3/14までの「限定展示」とのこと。
で、なんでバレンタインの企画にコロザメが引っ張り出されたか。

このコロザメ、英名を「Clouded Angelshark」と言いまして、その「Angel」の部分に白羽の矢が立ったようです。
エンジェルを仲介役に見立て、キューピッドとみなす趣向ですね。

ちなみにキューピッドは、激しい恋の金の矢と恋を拒む鉛の矢をもつ気紛れな「天使」だそうです。

…「Clouded」はコロザメの雲模様を差しています。色的には…あっ!


ところでいわゆる「カスザメ」も、「Japanese Angelshark」というのですが…。「カス」というネーミングがよろしくないのでしょうか。
どうでもいい話ですが、このコロザメちゃんの生体を私はまだ見たことがございません。標本は沼津のある場所で見ました。

サメに詳しいある方は、カスザメよりも愛嬌のある顔をしていると批評されていました。フーン。
両者の違いは、体がやや赤みがかっていて、胸ビレの外辺の角度が鋭角なのがカスザメ、体にまだら模様があって灰色っぽく、胸ビレの角度が鈍角なのがコロザメだそうです。
 高知県などでも見つかる「タイワンコロザメ(Squatina formosa)」は、ややこぶりでこの2種より歯の数が多いのが特徴のよう。

近年は新種が見つかり、世界で23種の仲間が知られています。

サメリスト(全種一覧 カスザメ)

大洗水族館では「ブサカワ」と評されています。カスザメ類は愛嬌があってええですなぁ。

2016年2月11日木曜日

鳥取県立博物館所蔵の銅剣にサメの線刻絵画




サメ好きというものは、何かにつけてサメの形を想像してしまうものであります。

具体的には、三角形を見るとサメの歯やヒレ、頭を思い出すなどといった具合です。
言ってしまえば、抽象的な三角形の組み合わせでサメを想像してしまうことだってあります。



鳥取県青谷町の青谷上寺地遺跡(あおやかみじちいせき) から出土した弥生時代の刀剣に、サメと思しき線刻が描かれていたそうです。

記事はこちら

このニュースを見た時は、きっと学芸員の方もそんな「病気」の方ではないかと思いましたが、実物は思ったよりもサメらしく、三角形の抽象画とは思えないほどサメを含意しています。

ではこれは何ザメか?

分かるわけないでしょう!

でもメジロ系のニュアンスがラスコーの洞窟壁画(オーロックス)のようなパトスから感じ取れなくもないです。(超テキトー)

こちらの出土品が出た場所は因幡の白ウサギ伝説でも知られる白兎(はくと)海岸とも指呼の距離です。
このことから因幡の白ウサギに登場する「ワニ」がサメであったという説に有力な証拠となりうるでしょうか。

古代海を渡って日本列島へ来た人々、海民とも称される私たちの祖先は、サメに対してほかならぬ敬意と畏怖を抱いていたことでしょう。
古代崇拝のアニミズムの象徴たるサメの姿は、今でもポリネシアの人々に受け継がれています。

現物は鳥取市内にある鳥取県立博物館で見られるようです。
青谷上寺地遺跡は、青谷町にあります。こちらにも弥生時代の発掘品が展示されています。

白兎海岸にも近い宝木地区の砂浜

 ちなみに、青谷の名産で「日置桜」という日本酒は、ここにある山根酒造場の逸品です。私は加えて、強力米で醸造された「強力(ごうりき)」もお勧めします。
本当に良いお酒です。美味い!

2016年2月9日火曜日

お詫びとお知らせ

ブログをご覧の皆様にお詫びとお知らせを申し上げます。

この度、Haieは自身のブログにおいて「海遊館サメの特別講座」の案内とともに応募の勧奨をいたしましたが、競争率×××倍ともいわれる中、なんとダメもとで応募した私が当選してしまいました! やったぜ



落選されたサメ好きの皆様へ、心よりお詫び申し上げます。「人に勧めておきながらお前が行くんかい!」との怨嗟の声が聞こえてきそうです。m(_ _)m
 
つきましてはこの貴重な枠をHaieがいただきました限りは詳細なレポートを報じるつもりでございますので何卒皆様のより一層のお引き立てをいただけますよう平にお願い申し上げます。


ブログをご覧の皆様で見事当選された方、おめでとうございます。
当方は、日曜日(2/28)の参加です。
ご一緒することになられた方は、ご愁傷様です。
 まるで奇妙な生き物でも見るかような目線は止めてください、お願いします、テンションの高いただのサメ好きです。私は「ギョギョ!」とか「すギョいですね」とは言いませんし、絵もヘタクソです。さらに魚全般に詳しくはないです。

↑普段の私はこんな感じのヒトです。(サメやん!)
やべぇ当たっちゃったよ。今年の運を使い果たしてしまった気分です。きっと親子連れとカップルの中でオッサン一人が浮くんだわ、アイタタタ。


2016年2月5日金曜日

サメ博士による図鑑(美しき捕食者 サメ図鑑)

サメ博士として有名な田中彰先生によるサメ図鑑が今月発売されます。

美しき捕食者 サメ図鑑」 実業之日本社

※ リンク先で中身を少し見られます。

「捕食者」の部分は、あえて「プレデター」と読みたいですな。毎年何かしらのサメ図鑑が出版されて、私の書棚もサメ図鑑ばかり増えてしまいますが、今回の図鑑は66種のサメについて田中先生による独自の解説が付記されているようです。表紙を見ると、既視感がありますね。この構図は大阪近辺で見たことあるような…偶然ですよ。


さて田中先生による全500種超のサメの中から選ばれた66種とは果たしてどんなサメたちでしょうか? とても楽しみですね。

田中先生の書籍は

 サメ大図鑑 こわい!強い! 海の王者のひみつがわかる PHP研究所 監修

 サメ図鑑 海の王者のひみつがわかる!  PHP研究所 ※上記廉価版

 深海ザメを追え 宝島社  2014/2 ※初の単著
 (Haieによる書籍のレビューもあります)

 などがあります。 他にも共著・寄稿などされておられます。

 生物の科学 遺伝 vol.62 no.3 軟骨魚類のふしぎ (サメの生殖に関する記述)
  
 海洋生物学入門 東海大学出版会 (海の猛者 サメ の章)
 
 
  近年のサメ図鑑の充実ぶりは目を見張るものがあります。ただ…サメの全種類を網羅する日本語の図鑑がやはり欲しいものです。
 マニア同士でもその話題になることも…。海外では「Sharks of The World」というほぼ全種の図鑑が英国より刊行されています。(下写真 右は旧版、左は新版)

 



  贅沢は言いません! せめて日本産の130種ほどの図鑑だけでもなんとかなりませんか?
 (それが贅沢というものだよ、キミ)

 ピコーン! ひらめいた。(カレイいない)

 デアゴ●ティーニ、「創刊! 週刊世界のサメ図鑑!」

 毎週サメの種類ごとのムックが届き、おまけには解説されたサメの歯が付属!
  全500巻(増巻予定) 一年50週として10年かかるぞオイ!
 創刊第一号は、アイザメ(五十音順)、1500円を980円で!
  全巻予約の特典は、ホホジロザメの顎(注:サメにやさしいレプリカ)

 また同時に「週刊ホホジロザメの顎」も刊行予定。毎週、歯のパーツが届き、顎の土台に差し込んでいくことで完成。(もう妄想がとまらないぜ! )
 
 ↑なんてことになったら…というサメ好きのありがちな妄想です。失礼しました。 

 また、田中先生は水族館などの講演でサメの魅力を語られることもあります。
 Haieの過去のコラムにもレポートとして取り上げたものがありますのでぜひどうぞ。
 田中先生は講演先で一言も「私の出した本を買ってください!」などとはおっしゃられませんので代わりに私が言います。

 皆さん、田中先生のサメ本を買ってください。お願いします。

 サメコラム アーカイブ

 (本家サイトの目次)

2016年2月1日月曜日

海遊館特別講座のお知らせ(シャークワールド徹底解剖!)

好評開催中の海遊館サメ展「シャークワールド」をもっと楽しむためのプログラムが開催されるそうです。

開催日:平成28年2月27日と28日(各日同内容)

シャークワールド徹底解剖! 参加要項

例によってサメの解剖もプログラムにあるそうで、公式には「メジロザメ科のサメ」とのこと。

近鉄電車で見られる中吊り広告(サメの眼がなんかヘン?)


サメ好きの皆様、ここはぜひ種類の特定も視野に入れてご参加ください。

またサメの歯封入のマグネット作成というユニークなワークショップもあるそうです。歯は、同館飼育中のツマグロとのこと。

各日20名で競争率が高そうですが、ふるってご応募ください。(応募締め切りは2月7日)

(※Haieは海遊館関係者ではございません)

メジロザメ科のサメ…なんだろう? メジロザメ属ならドタブカ、クロトガリザメ、クロヘリメジロ、ハナザメなども・・・。1mですと、なかなか特徴がつかみにくいかもしれませんね。

飼育員の方にも直接お話しできる機会ですので、飼育にまつわる面白い話が聞けるかもしれませんよ!

 
 もう行かれた方、館内ポスターにちょっとした小ネタがあるのをご存知ですか?

 

  

 「ホホジロザメの生体の展示はしておりません」

2016年1月16日土曜日

サメの解剖教室のお知らせ(須磨海浜水族園)

サメの解剖は冬に限る。

なぜならとても「におい」がするから。
 私はあまりに気にならない方なのですが、昔とあるイベントでのサメ解剖で、時間がたつにつれて、この理由によって見学者の数がだんだん減っていったのが印象的でした。

サメ飼育のアツい須磨水族園で、サメの解剖教室と銘打ったイベントが行われるようです。

2016年2月14日開催 於:須磨水族園 レクチャールーム

詳細はこちら

写真を見る限りは、献体はエイラクブカっぽいのですがどうでしょう?

普通の魚と違って、サメの体はどうできているのか、つぶさに観察できる良い機会ではないかと思います。

申し込みは2月1日締め切りで、20名の定員で多数応募の場合は抽選とのこと。
ふるってご参加ください。

(注:Haieはスマスイの関係者ではございません)

 スマスイではこんな話題も…
サメに勝てず「海猿」公開潜水訓練を中止 神戸

二匹のクロトガリザメ…ですか。確かに大きくなったからねぇ。

2016年1月13日水曜日

カスザメ、またの名をエンジェルシャーク、モンクフィッシュ、そしてサンドデビル。

サメ食。

いま俄かに「サメ食」がアツい、そうです。
拙サイト、「Haieのナカミ」でも、サメ料理のコンテンツはロングランに訪問者が続いています。
検索して私のサイトに来るなど、よほどの物好きでしょう。おとなしくクック○ッドで調べてきなさい! サメ好きがサメを料理して食べたレポートしかないですよ、うちは。


 決して料理の参考にはならないので、ちゃんとした人のところへどうぞ。

話がだいぶそれましたが、サメ食でもかなり珍しい「カスザメ」を食べたレポートがこんなサイトで上がっています。

デイリーポータルZ

これほどのカスザメ愛を感じるコンテンツがいまだかつてあったでしょうか!



天使のサメ、とはそちらでも紹介されている通り、英語圏での「Angel Shark」のことをさしています。そして修道僧のフードを連想させることから「Monk Fish」とも呼ばれています。

そしてカリブ海のカスザメの仲間は「Sand Devil」おそらく天使とは似つかぬほど始末の悪い魚と漁師には見られていたのでしょう。なんとも因果なネーミングですね。

日本では、このほかにコロザメというカスザメの仲間がいます。わさびおろしで重宝されるのがこのコロザメだそうです。私も以前、鳥羽水族館のサメ展で、丸のまま干したコロザメをわさびおろし器としていたものを見たことがあります。

 見た目が野暮ったい割に、九州では高値の取引もあるとかないとか。縁起物とするという言われもあり、名実ともに天使なのでしょうか。


 ちなみに意外と飼育の難しいサメで、餌付けなどかなり気を使うようです。スマスイでは常設展示されています。(2015年11月現在)。
 このブログのプロフィール欄でじたばたしているのは、この子だったりします。
 
 しかしながら一度食べてみたいものです。

2016年1月9日土曜日

ホホジロザメが飼育できるか本気で考えてみた



ホホジロザメの飼育。


おそらく、サメ好きならば一度や二度はその夢想をしたことがあるかもしれません。

すでに聞き及んでいる方も多いと思いますが、沖縄美ら海水族館でホホジロザメ(沖縄名:ミンダナー)のオスの成体が、4日間展示されていたようです。






搬入の経緯などは公式にもされているので割愛しますが、三日間、同館のオオメジロザメ(沖縄名:シロナカー)やイタチザメ(沖縄名:イッチョー)のいる「危険ザメの海」水槽で見ることができたとのこと。

見ることができた人はラッキー…とはあまり言いたくはないのですが少なくとも貴重な体験であったことは間違いないでしょうし、海の王者をその目に焼き付けることができたことは、サメが恐ろしい生き物以上の存在であると知る機会であったでしょう。

しかし、美ら海水族館は最初から飼育がうまくいくと思っていたのでしょうか。
本気でホホジロザメを飼うということにどれほどの覚悟があったでしょう。


ここに一冊の本があります。

昭和63年発刊の「水族館動物図鑑 沖縄の海の生きもの」と題された図鑑です。
発行者は「国営沖縄記念公園水族館」、つまり現:美ら海水族館の前身です。

この図鑑の特徴は、単に沖縄に生息している海の生きものを並べただけではありません。
ここには、水族館がいかにして生き物たちと対峙して飼育に当たってきたかが詳細に書かれており、飼育の事績を知ることのできる貴重な文献です。

珍しいサメをどれほど生かし、飼育を試みてきたか、少し荒っぽくさえ思える記述が並びます。
「○○ザメ、同居のサメに食われ、3日で死亡」といった生々しい記録がさらりと書かれています。

今同じ内容でこの本を出したとしたら、いろいろ突っ込まれるのではないかとさえ思えます。
少なくとも私は初見では衝撃を受けました。
ただ、水族館に近い職種の方々には私のような新鮮さはあまりないようですが。

話を戻しますと、ホホジロザメを水族館で飼うことができるのかどうか。


現状では、生まれたてのホホジロザメが198日間水槽で飼われていたという事実以外に、「飼育」と言い為すことのできる情報はないようです。
 コラム「モントレーベイ水族館のホホジロザメ

なぜホホジロザメを水槽で飼うことが困難なのか。
一つには器の問題。
成体ということであれば、まず大きさが一つの制約となります。4m前後がホホジロの捕獲例でも多く知られることから、この大きさでもって扱いができるかという現場の経験が試されるでしょう。

次に搬入などの問題、これは生きたままサメを運び、水槽に落とし込むシステムがないといけません。いまや全国で見られるジンベエザメで、その搬入技術が飛躍的に向上したことからも、ある一定の規模を持つ水族館ではこの条件はクリアできそうです。

しかし、ジンベエと違い非常に遊泳能力の高いサメでは、いかにおとなしく運べるかということも重要です。暴れて傷ついて持たなかったサメも多くいるでしょう。
今回の美ら海に限っては、この点をどうにかパスできています。さすがというしかないです。

このことだけでも相当な経験の裏打ちを示していることでしょう。

そして継続的な飼育環境の問題。
無事水槽にたどり着いたら、今度は用意した環境に慣れてくれるかどうか。
狭いことは間違いないので、水槽の大きさを認識し、壁にぶつからず泳ぐことができるかどうか。この点がかなり重要です。

殊に、遊泳速度の速いこういったサメは、鼻からぶつかって感覚器官を傷めて衰弱することが死因となることがあるそうです。
つまりサメに対する刺激の極力少ない環境を用意せねばならないということでしょう。

動画を見る限りでは、サメなりに水槽の大きさを認識し、遊泳をしています。しかし、力強く泳げているかというとそうは見えません。

この点においては、美ら海は極めてストレスの多い他のサメとの同居を選択しました。ここに難点があると私は考えています。

サメの敵はサメ。

大型のサメになればなるほど、競合するのは同じサメ同士であることもまた事実。飼育下では万遍なくエサを与えてはいますが、食いの良さ悪さとともに水槽内のパワーバランスが保たれねばなりません。

ある水族館では、新参のサメが古老の大型魚にパクリとやられたこともあるそうです。サメだから…というのは先入観で、実際新たに生き物を投入することはエサとなる事例も少なくないようです。(前述の書籍もそういった事例が挙げられていました)

つまり、ホホジロに限っては単独飼育が望ましい、と。他の生きものを排除した状態(競合する存在がない)であればサメは環境に慣れることに専念できるでしょう。

あと私的考察ですが、サメの感覚器官を刺激しない環境を整備すること。
ホホジロは地磁気を感じて、大洋を回遊するといわれています。いわゆる電気受容の出来る感覚器官の存在ですが、その機能がサメに方向感覚や距離感覚を与えているとするならば、電子機器や磁場の発生する装置を極力遠ざける必要性も考えられるのではないかと言うことです。

磁界の発生するモーターや電気設備なしに水槽を維持することはほぼ不可能です。なので、遮断器具を駆使した低刺激の状態を想定することがそういったストレスを軽減する手段となると考えられないでしょうか。

エサについては、粘り強く与え続け、活餌や強制給餌も駆使せねばならないでしょう。強制給餌とは、ありていにいえば無理やり口にねじ込み、エサを胃袋へ通すことです。私がこのことを知った時、生き物と接することの壮絶さを知るとともに、生かすとは人間の意思ありきなのだと考えさせられました。

美ら海水族館がどういった想定でホホジロザメの飼育に踏み切ったかどうか、私が知る由はありません。偶発的な捕獲に対してどれほどの準備が可能か、恐らく普段から受け入れ態勢を整えられる環境を維持されているのでしょう。
(沖縄未訪問で、ある機会に館長さんを間近で拝見したことはありますが、面識はありません。水族館界のエンペラーとも尊称される方ですので、凡人のサメ好きでは畏れ多い存在です)

少なくとも「ホホジロザメの生きた姿を多くの人に見てもらいたい」という熱意に偽りはないでしょう。だったら、私は一匹や二匹どうにかなったぐらいであきらめてもらっては困ります。

死体を子細に解剖し、死因を突き止めるとともにあらゆる技術的人的資源に多額の費用を用いて本気を見せて欲しい。

もしそうでなければ、私は「ホホジロザメを飼育することは不可能」と言い続けなければならないでしょう。
マグロですら養殖できる時代、もはやホホジロは永遠に届かぬ遠い「おサカナさん」 ではないと思います。もはや夢想するにも荒唐無稽だとは誰も言えない。
今では観られて当たり前の無数の海の生き物が、沖縄の地で着実に飼育メソッドを育まれてきたことはゆるぎない事実なのです。

つまり美ら海水族館がホホジロザメの飼育を…

やるかやらないか(To Be or Not to Be

ただそれだけのことでしょう。
 

私ごときサメ好きが、偉そうなことを言うもんです。本当に反省しています。

ちなみに前の記事でホホジロに触れていますが、私がこの飼育の試みを知ったのは、ずいぶん後ですので誤解なきよう。

2016年1月4日月曜日

サメをよりよく楽しく知るために

 私がサメを知る方法

 自身がサメ好きということが知られると、そう話した相手(サメ好きでない方)からいろいろと質問を受けることがあります。

 「サメって、本当に人を食べるの?」
 「サメとフカはどう違うの?」
 「サメに襲われたらどうするの?」
 「ホホジロザメって、どこの水族館で飼っているの?」

 はっきり言います。
 サメ好き=サメに詳しい ということはありません。(少なくとも私の場合ですが)

 サメ好きというのは、サメに対して人より興味を持ち、サメを知ることに対してアクションを起こすことのできる人であるということなのです。(シャークジャーナリストの沼口さんは「シャーキビリティ」という造語でそういっておられます)

 つまり誰しも発展途上なのであって、サメ好きは学者でも研究者でもある必要がないのです。無論、結果としてそういった道を目指すことはあってもサメ好きであることそのものは、根本的には変わらないと考えています。

 では上記の質問についてサメ好きはどうこたえるべきか。

 「大きなサメは人"も"食べます。でも常食ではない」
 「サメとフカは同じ。関西ではフカと言うことが多いぐらい」
 「滅多ないけど、サメに襲われたら、早く水から上がること。殴る蹴るはケースバイケース」
 「ホホジロザメは水族館では飼えない(過去の実績から)」

 答えとすれば、このような回答があるでしょうか。いずれも正解とは言い難いニュートラルなものですが、誠意を持って答えるなら私の知る範囲ではこの程度です。
 でもサメ好きの正解は、「自分で調べて」だと思っています。

 こう答えるのは実に不誠実だと思われるかもしれませんが、サメ好きとしてサメを自分で知ってもらうことが何よりサメを好きになる近道であるとの私の考えがあります。
  サメを調べていくうちにサメを好きになる、このステップをやはり踏んでもらいたいのです。
 インターネットでもいい、サメについて書かれた本ならなおよし。

 知れば知るほど好きになる、この魅力的な生き物に興味を持つことの出来るあなたは、きっとサメが誘う知の旅へと歩み出せる方でしょう。

 サメの存在に価値を見出す。このことが海を知る、生き物を知る、文化を知る、より興味を引き出すそのきっかけになることでもあるのです。

 私はサメの存在に偏見を持っています。
 「好き」ということは、他に比してより強い興味を持つことですから、そこにバイアスがかからないはずはありません。強いて言えば、サメ好きこそ、サメに偏見を持つ人間であるとも言えるでしょう。

 この偏見とは、決してサメを見下すとか忌み嫌うということのみを指すのではなく、サメに肩入れするとかサメの価値を過大評価することも含んでいます。
 この海で高位に位置する捕食者のことを、極まったサメ好きは神秘や崇拝の対象にすらしているでしょう。では、実際に海でどのような役割を担っているか、手当たり次第に魚を食べる貪欲なハンターでないことを否定できるかどうか。

 残念ながら、サメ好きであってもサメが獰猛なハンターであることを否定する人は少ないでしょう。
 サメの驚異的な捕食能力は、イメージとしてはサメを強い存在として認めるに値するでしょうが、そういった「ステレオタイプ」のサメがかなり少数派であることもまたサメの真実であると考えています。
 そしてサメという言葉を、いわゆるホホジロザメと同義に考えることもまた偏見であると思うのです。「サメ好き」と「ホホジロザメ好き」では、また意味が違ってきます。
 
  私は映画「ジョーズ」を見たことがないサメ好きです。サメ好きの下地とも言うべきこの原体験が私には欠落しています。この多くの方をサメ好きに導いたファクターがない人間でもサメ好きになれる、サメを好きと言えると私は体現しているのです。

 私がサメを知る手段は、主に研究者の方が書かれた本です。しかしながら、私自身一次情報でサメを知る機会は、皆無に近いのです。

 本物のサメと接する機会がほぼない、それでもサメ好きを名乗っても構わないと考えています。できればサメをマスコットの一つとして愛でることからさらに一歩進んだ生き物としての存在に興味を持ってもらいたいというのが本音ではありますが。 

 詳しい情報は、サメそのものの研究を生業とする方に頼って、サメ好きはそういった方々へ支援をすることが何よりサメを知ることの近道であるでしょう。支援というと何か偉そうな響きに聞こえますが、難しいことではありません。
 直接的には、日本板鰓類研究会へ入会し、会費を払ったり、直接講演などを聞きに行くことだったり、研究者の書いた書籍などを欠かさず買うなどといった方法があります。

 私は会には属さないながらも、研究者の方の動向には関心があって講演などがあれば行ける範囲で参加しています。(会に属さないのは理由があるためですが)
 そして私の拙い理解力で把握した内容については、本家サイトでちょぼちょぼとお話にしたりしています。(私にはサメのお話を分かりやすく伝える力が乏しいのですが)
 →サメコラム

 私にできる範囲で、こういった情報を更新できればよいなと思っております。
 当方には、海外(国内)を飛び回ってサメ情報に触れる経済的にも時間や空間的にも余裕はないので、ネットを駆使した部分が多くなるでしょう。

 もう一度言いますが、私はサメに詳しい人間ではありません。
 サメに対して興味を持って、その情報に触れる機会をもっと持とうと考える、少しだけ変わったサメ好きなのです。

 SNSに参加していないので、はぐれオオカミの状態ですが、運悪く私のブログに行きついた方は、どうぞ興味の赴くまま、サメについての情報にたくさん触れてください。
 私のサイトではきっと満足できず、さらに調べたくなるでしょう。
 その時こそが、サメ好きとして知の旅へ出かける時です。

 その旅に楽しさを見出すことが、私の最も望むことであるのです。
 
 

本家サイト(公開終了)