ここにきて、重要なことに気が付きました。それは…私のこの投稿には必ずサメの写真(自弁)を用いていますが、私がファインダーに収めていないサメはアップできない問題が発生するようなのです。これは参った。
というわけで自弁の標本なりをご用意できないものはお蔵入りとなる見込みです。
(※タイトルは 庭にワニ、はにわ、鳥がいる が正解です)
暗雲の立ち込めるこの企画、では気を取り直して。
「ワニ歯型 短き背ビレ 不思議だね 泡を呑み込み 静止してんのや」
サメの名が入らないシリーズ。今回は水族館ではおなじみの絶滅危惧種(ⅠB)のレア種、シロワニです。
学名:Carcharias taurus
背ビレは短く第一第二もほぼ同じ大きさ。京急油壺マリンパークにて(Haie撮影) |
歌はシロワニが胃の中に空気を取り込み、水中で静止するというサメ界では離れ業を持つことを歌い上げています。(「してんのや」は関西弁やで!)
このため、スィーと泳ぐ普通のサメよりも割と被写体に収めやすい、撮影の腕に自信のない私でもキレイに撮れるサメです。
水中静止だけでなく、海底で佇む姿も。京急油壺マリンパークにて(Haie撮影) |
小笠原諸島で岩場などに棲むとされていますが、日本の水族館のものはかつてオーストラリアや南アフリカなどから輸入されたものがほとんどだそうです。
日本でも割と大型の水族館で見られる種です。ネズミザメ目の仲間では、唯一飼育に成功した例ともいえます。
Haieの知る限りでは、アクアワールド大洗の多頭飼育を筆頭に、しながわ水族館(区立の方)、八景島シーパラダイス、京急油壺マリンパーク(撮影には最適)、東海大学海洋科学博物館、鳥羽水族館、須磨海浜水族園、マリンワールド海の中道などです。(現在飼育継続かどうかは不明です)
旧サイトでトップ画像として使ったシロモノ。アクアワールド大洗のシロワニ達(Haie撮影・加工) |
国内某水族館では、妊娠までこぎつけたものの、死産であったという例はありました。
そこでは春先にシロワニのメスがオスから追い掛け回され、からだに噛みつかれ(交尾時は噛むのが仕様)、皮膚がぼろぼろになった姿を見かけることも。
痛々しいのですが、キスマークと見方を変えれば、ラブラブな証拠と思えなくもないでしょう。
静止しているのでこのようなアップも自由自在!京急油壺マリンパークにて(Haie撮影) |
東海大学海洋科学博物館で、サメ博士田中彰先生と館内の大型水槽にいるシロワニを観察したところ、田中先生を認識しているのか覗き込む先生を凝視しその場に止まりにらめっこする場面も。
「目と目で通じ合っている!」
サメと相思相愛であるという、うらやまなエピソードでした。ヒューヒュー!
元句は「難波潟 短き芦の節の間も 逢わでこの世を すぐしてよとや」 。宇多天皇のとき、中宮に仕えた侍女、「伊勢」が詠み人。大阪湾の干潟に生える芦の節のような短さですら会うこと(逢瀬)も叶わず死ぬというのか、という待ち人を焦がれる悲哀を狂おしく詠んだ恋歌です。恋多き女性であったと聞きます。
自然下では、逢瀬も叶わぬサメ達も多いでしょうに…え? 人間もですか。
今日はこのぐらいで勘弁しておくれやす。
参考文献:「サメ・ウォッチング」(平凡社)、「美しき捕食者 サメ図鑑」(実業之日本社)、京急油壺マリンパーク展示、アクアワールド茨城県大洗水族館展示
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