2020年1月21日火曜日

『SHARK』に一首 日本全国サメ詠み音頭

♪サメが詠めるサメが詠めるサメが詠めるぞー、サメが詠める詠めるぞ、サメが詠めるぞー。(バラクーダなんて今の若い人は知らない)

 『SHARK』に一首、でサメが詠めるぞー。

 すでに毎日投稿が難儀になってきていますが、毎日30レビュー位はしてもらえているので、よしとしよう。誰得企画なのは言うまでもないですが。

 では参る。

 地に潜る 噛むよ待ち伏せ たった今 カスザメ現れ 丸呑みとは」 

 だいぶ苦しくなってきましたがまだ許容範囲の歌です。
今回はカスザメを題材にしました。英名は「Angel shark」…エンゼルシャーク、天使の羽がついているかららしい? アメリカじゃ「Sand devil」らしいけど。
学名:Squatina japonica

鳥羽水族館にて、割と露出気味のカスザメ。Haie撮影


 日本の浅い海底にいるカスザメ。サメの特徴でもある楯鱗(じゅんりん)で覆われた体表がかなりザラザラチクチクするので、わさびおろしにも使われるような革製品としても重宝されます。背中の頂点には大き目のトゲのような鱗が逆立っています。

  またかなりおいしいらしく(私はまだ食したことはないです)、地方によってはごちそう扱いされることもあるそうです。(九州などでだったと記憶しています)
 デイリーポータルZというニフティ最後の牙城で、カスザメ釣りと食の記事が紹介されています。
東海大学海洋科学博物館にて、砂が少なすぎて潜れない!Haie撮影
 水族館でもサメ飼育に割となれた園館では長期飼育もしているようで、海遊館や須磨海浜水族園でも特定の水槽でその姿を見ることができたりできなかったりします。

          カスザメの泳ぎ回る動画。saeki haruka チャンネルよりリンク。 

 なぜかというと普段は砂地で、体を潜らせて姿を隠しているので、いても見つからなかったりします。
 獲物を待ち伏せし真上を通る獲物にガバッと噛みつくわけです。 目玉が上に向いているため、パッチリお目目を常に上目使い。
 女子力の高いサメで、皮膚から粘膜のようなもので体を覆い、砂地に潜ってもお肌が荒れないという美容を実践しているそう。(件の東海大学の水族館で、田中彰先生が保護粘膜が出ているみたいですと解説してくださいました)
  その保護粘膜がないと簡単に寄生虫などが侵入し、弱ってしまうそうです。これはエイにもみられる特徴でもあるのでエイと間違われそうですが、サメ通の方ならご存知のサメとエイの見分け方、「エラある向き横か下か」で判別がつきます。サメ横エイ下です。
 日本には、同じ属でネズミ色のコロザメ、そしてタイワンコロザメが棲んでいるそうです。
 
左がコロザメ(小)、右がカスザメ(名古屋港水族館にて)Haie撮影

 台湾の種類は南西諸島で見られるそうで、本土周辺にはいないようです。台湾のお魚図鑑では、「臺灣琵琶鱝ってエイじゃん! と紹介され、「燻食美味」と評価されています。

 これは恐らく台湾のサメ料理「鯊魚烟」のように燻製にして食べるとおいしいということなのだと思います。
 台湾B級グルメとして基隆などで食べられる代物です。私も台北の「柴寮仔鯊魚煙」 という百年続く老舗の屋台で食べましたが、(コロザメかどうかは判別できませんでした)台湾ビールとよく合う一品でした。
 オナガザメやアオザメを使うと店主は言っていました。オナガザメは目玉がおいしいらしい。また食べたいですねぇ。

 元句ですが、
 「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 唐紅に水くくるとは」 という平安の色男、在原業平朝臣の有名な歌です。
 恋い慕う二条御后(倫なきや)、の部屋にあった川を流れる美しい紅葉の屏風に沿えた歌だそうで、紅葉で赤く染まる川の美しさを大胆に表現して感動を押し出しています。ご機嫌取りなのでしょうかね。

 カスザメも紅葉を散らしたような鮮やかな色をしています。「からくれなゐ」を「かくれない」とかにしたかったなぁ。
 ちなみにこの歌は汎用性が高く別のサメでも使う予定です。百首はムズカシイネ!
 
 参考文献:「臺灣常見魚類図鑑  2.深海底棲魚」(戸外生活図書公司)
 
  

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