私がサメを知る方法
自身がサメ好きということが知られると、そう話した相手(サメ好きでない方)からいろいろと質問を受けることがあります。
「サメって、本当に人を食べるの?」
「サメとフカはどう違うの?」
「サメに襲われたらどうするの?」
「ホホジロザメって、どこの水族館で飼っているの?」
はっきり言います。
サメ好き=サメに詳しい ということはありません。(少なくとも私の場合ですが)
サメ好きというのは、サメに対して人より興味を持ち、サメを知ることに対してアクションを起こすことのできる人であるということなのです。(シャークジャーナリストの沼口さんは「シャーキビリティ」という造語でそういっておられます)
つまり誰しも発展途上なのであって、サメ好きは学者でも研究者でもある必要がないのです。無論、結果としてそういった道を目指すことはあってもサメ好きであることそのものは、根本的には変わらないと考えています。
では上記の質問についてサメ好きはどうこたえるべきか。
「大きなサメは人"も"食べます。でも常食ではない」
「サメとフカは同じ。関西ではフカと言うことが多いぐらい」
「滅多ないけど、サメに襲われたら、早く水から上がること。殴る蹴るはケースバイケース」
「ホホジロザメは水族館では飼えない(過去の実績から)」
答えとすれば、このような回答があるでしょうか。いずれも正解とは言い難いニュートラルなものですが、誠意を持って答えるなら私の知る範囲ではこの程度です。
でもサメ好きの正解は、「自分で調べて」だと思っています。
こう答えるのは実に不誠実だと思われるかもしれませんが、サメ好きとしてサメを自分で知ってもらうことが何よりサメを好きになる近道であるとの私の考えがあります。
サメを調べていくうちにサメを好きになる、このステップをやはり踏んでもらいたいのです。
インターネットでもいい、サメについて書かれた本ならなおよし。
知れば知るほど好きになる、この魅力的な生き物に興味を持つことの出来るあなたは、きっとサメが誘う知の旅へと歩み出せる方でしょう。
サメの存在に価値を見出す。このことが海を知る、生き物を知る、文化を知る、より興味を引き出すそのきっかけになることでもあるのです。
私はサメの存在に偏見を持っています。
「好き」ということは、他に比してより強い興味を持つことですから、そこにバイアスがかからないはずはありません。強いて言えば、サメ好きこそ、サメに偏見を持つ人間であるとも言えるでしょう。
この偏見とは、決してサメを見下すとか忌み嫌うということのみを指すのではなく、サメに肩入れするとかサメの価値を過大評価することも含んでいます。
この海で高位に位置する捕食者のことを、極まったサメ好きは神秘や崇拝の対象にすらしているでしょう。では、実際に海でどのような役割を担っているか、手当たり次第に魚を食べる貪欲なハンターでないことを否定できるかどうか。
残念ながら、サメ好きであってもサメが獰猛なハンターであることを否定する人は少ないでしょう。
サメの驚異的な捕食能力は、イメージとしてはサメを強い存在として認めるに値するでしょうが、そういった「ステレオタイプ」のサメがかなり少数派であることもまたサメの真実であると考えています。
そしてサメという言葉を、いわゆるホホジロザメと同義に考えることもまた偏見であると思うのです。「サメ好き」と「ホホジロザメ好き」では、また意味が違ってきます。
私は映画「ジョーズ」を見たことがないサメ好きです。サメ好きの下地とも言うべきこの原体験が私には欠落しています。この多くの方をサメ好きに導いたファクターがない人間でもサメ好きになれる、サメを好きと言えると私は体現しているのです。
私がサメを知る手段は、主に研究者の方が書かれた本です。しかしながら、私自身一次情報でサメを知る機会は、皆無に近いのです。
本物のサメと接する機会がほぼない、それでもサメ好きを名乗っても構わないと考えています。できればサメをマスコットの一つとして愛でることからさらに一歩進んだ生き物としての存在に興味を持ってもらいたいというのが本音ではありますが。
詳しい情報は、サメそのものの研究を生業とする方に頼って、サメ好きはそういった方々へ支援をすることが何よりサメを知ることの近道であるでしょう。支援というと何か偉そうな響きに聞こえますが、難しいことではありません。
直接的には、日本板鰓類研究会へ入会し、会費を払ったり、直接講演などを聞きに行くことだったり、研究者の書いた書籍などを欠かさず買うなどといった方法があります。
私は会には属さないながらも、研究者の方の動向には関心があって講演などがあれば行ける範囲で参加しています。(会に属さないのは理由があるためですが)
そして私の拙い理解力で把握した内容については、本家サイトでちょぼちょぼとお話にしたりしています。(私にはサメのお話を分かりやすく伝える力が乏しいのですが)
→サメコラム
私にできる範囲で、こういった情報を更新できればよいなと思っております。
当方には、海外(国内)を飛び回ってサメ情報に触れる経済的にも時間や空間的にも余裕はないので、ネットを駆使した部分が多くなるでしょう。
もう一度言いますが、私はサメに詳しい人間ではありません。
サメに対して興味を持って、その情報に触れる機会をもっと持とうと考える、少しだけ変わったサメ好きなのです。
SNSに参加していないので、はぐれオオカミの状態ですが、運悪く私のブログに行きついた方は、どうぞ興味の赴くまま、サメについての情報にたくさん触れてください。
私のサイトではきっと満足できず、さらに調べたくなるでしょう。
その時こそが、サメ好きとして知の旅へ出かける時です。
その旅に楽しさを見出すことが、私の最も望むことであるのです。
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