深海ザメの仲間には大所帯のツノザメ目のほか、メジロザメ目トラザメ科の仲間(ヘラザメ属、ヤモリザメ属など)も同じ深い海にいます。
パッと見では、両者の区別は「棘(きょく)」と呼ばれるツノの部分ぐらいしかわからないでしょう。
実際には、臀ビレがあるメジロザメの仲間と、ないツノザメの仲間という区別もできます。
かつては深海ザメは日本にしかいないと思われていたものが世界各地にいると、研究が進み明らかになってきました。
今回ご紹介するサメも、深海勢では二番手であるメジロザメ目の仲間で「チヒロザメ(オシザメ)」 [Psuedotrakias microdon]というあまりなじみのないサメです。
紹介された日本の記事
http://jp.sputniknews.com/europe/20151005/997584.html
現地の投稿
http://www.tagsharks.com/new-species-of-shark-discovered-in-scottish-waters
スコットランドでこのサメが見つかり非常に珍しいとニュースになっています。
日本でも多分人知れず漁師に捨てられているであろうレアサメです。
SSTP(Scottish Shark Tagging Programme)という団体の調査で分かったそうです。
ちなみにこの海域には72種の板鰓類(サメやエイ)が棲んでいるそう。狭い海域なら多い方かも。
日本語の訳を見てみますと「ニセネコザメ」というなんだかよくわからない表記。
英名の「False catshark」を直訳したようです。「catshark」は無理のない訳し方とすれば「トラザメの仲間」の表記に当たるでしょう。日本語の「ネコザメ」は、いわゆる「Heterodontus属」で全くのお門違い。
俗名(現地の呼び方)の「ソファーザメ」という言い方も、「ソファーシャーク」で構わないと思います。和名にはない呼び方ですので。
直訳で海外のサメを無理やり「●●ザメ」と言い為す必要はないわけで、特に和名が定まっているものについてはその表記に従う方が理解しやすいはずです。
最近の水族館でも海外のサメの場合「●●シャーク」という呼び方や表記を採用する園館が増えてきたように思います。
私個人としては(地名や固有名)+(グループでの呼び方 テンジクザメなど)がわかりやすく、逆に英名をそのままカタカナにするのは不親切な気もします。(あくまで個人の考えです)
キャットシャークとカタカナ表記することは、日本人にとっては「ネコザメ」という誤変換を誘発しやすい言い方なのでちょっと考え物です。
と、学名表記から和名を参照するツールとして個人的に使っているサメリスト。
サメ種名一覧 http://www.geocities.jp/haie1976/list.html
こういうことがあまりないように私が個人的に作ったものなのですが、「役に立たねぇ!」ようです。
ただ日本の図鑑でも浸透していない和名を表記するものもあって、それをリストに反映させて良いものか、というどうでもいい悩みを抱えています。
好事家として長年やってきましたが、偉い先生にお伺いを立てないといけない時期に来たのでしょうか。
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