今般、その母体となるHPが提供運営側の都合により公開終了を迎えるに当たり、今一度サイト開設に至る経緯と今後についてのお話をいたしたいと思います。
HP最後のトップ画像は思い出深い京急油壺マリンパークのオオメジロザメ。サメ飼育に力を入れる素晴らしい水族館です。 |
私「Haie(ニックネーム:ドイツ語でサメの意)」は、 2004年11月より無料HP提供サービス「ジオシティーズ(現Yahoo! ジオシティーズ)」によってサメサイト「~Haieのナカミ~」を開設しました。15年前のことです。
以来、空白期間を何度か経てサメに関する情報でもニッチな情報を、サメ好きの視点から提供し、時に掲示板でやり取りもし、同じサービスを使用して作られたサメサイトの同志とも交流をフカめてきました。
インターネット隆盛期でもあり、この無料HPサービスではカンブリア大爆発なみの玉石混交のサイトが乱立していた時期でもありました。
開設に至る経緯は、長年サメについて興味を持っていた私が、2004年に東海大学教育センター主催のサメをテーマにした大人向けの宿泊学習プログラムに参加したことがきっかけでした。前年に東海大学に提供されたメガマウスザメの剥製公開を記念しての催しでした。
そのプログラム上、解剖したのが深海ザメ「ラブカ」でした。 |
東海大学でサメについて研究しておられる田中彰教授直伝のサメレクチャーで、私のサメ熱は急上昇し、レクチャーを体験記方式で紹介する記事が初投稿でした。
以来、サメに関する情報をコラム形式で紹介ししつつ、メディアで取り上げられたサメ情報への感想、サメの種類を網羅した一覧の作成(全種類掲載)、サメイベント体験記、自作サメ料理の紹介、水族館の紹介記事など私の興味の赴くままただひたすらに更新しておりました。
しかしながら無料サイトの運営元の意向により、スマホ時代に取り残されたWebの遺物は無に帰すこととなります。
サーバ移行を勧奨されてはいますが、ざんねんながらパスワードとIDの遺失により「~Haieのナカミ~」は平成31年3月31日をもって終了となります。
更新も滞り、私のサメの情報発信源としての機能はもはや価値を失っていると思っております。
元号も変わるこの節目に、サイトが閉じるのは悲しくもありますが、一つの思い出として深く刻まれることでしょう。長年サイト運営を行っておられたスタッフの方へ、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
そしてサメ情報を求めてこの「Haieのナカミ」をご覧くださった皆様方に多大なる感謝を申し上げます。心よりありがとうございます。 m(_ _)m
もともと学生時代にプロバイダ提供のHPからはじまった「Haieのナカミ」は、私個人の趣味を紹介する、あまりサメとは関係ないサイトでした。いくつかのコンテンツのなかに「サメ」を紹介する記事があり、図鑑めいたものでした。
私が上京するに当たり、そのサイトも閉鎖した経緯があります。つまりサメサイトの「Haieのナカミ」は二代目なのです。
また私とサメの関係は、古女房とダメ亭主の関係でもあります。
浮気性で飽きっぽくて怠け者の亭主に、黙って付き従い、時に喧嘩もし、でも気が付いたら隣にいて なんだかんだで一緒にいるとお互い安心する。そんなものです。
時に初恋のように熱く、時にもう見飽きたとサメたり突き放したり、でも嫌いにもなれず寄り添ったり、ただ能動的な好きと受動的な好きを交互にする不思議な磁力でお互いを保っているようにも思えます。(未だに独身であることと関係あるのかも?)
ただ時代が変わり、スマホでの情報収集が当たり前になり、サメに関する本も充実し(Sharks of the worldの日本版はまだか!?)、私レベル(非サメ研究者=素人)がサメ情報を提供する意味はもはや失われてしまったと感じることが多くなりました。だから公開終了は、天命であると思っています。
ただSNS隆盛の昨今、個人自らHPを構えて何かをやる時代ではないのかもしれません。ネットワークと共感とその共有でなりたつSNSは私にとって少々息苦しい存在でもあります。良くも悪くもSNSは「私」が出てしまい、「サメ」は私を構成する一部としてトーンダウンしてしまうことが性に合わなかったのかもしれません。(苦しい弁明)
はっきり言って私個人のことなど誰も関心を持たなくてよいので、ゆるくサメ好きを楽しみましょうというのが私の偽らざる感想でもあります。
サメのイメージを変えるという鼻息荒い主張を私はあまりしませんが、サメのイメージは常に多面的であるというのが私の理想です。
ジョーズに代表される恐ろしい牙をむく雄々しい存在、いわゆる八百万の神の「荒魂」の側面しかないのではなく、文科的に古来より信仰され、神秘的な生態を見せる「和魂」の存在も認めれば、サメの偏った見方はずいぶんましになるだろうと思っております。
サメは付き合うのが難しい存在でもあると思っています。人間が高次捕食者であるがゆえに生態系でも摩擦が生じ、またサメ本来のもつ自然の中での価値よりかなり低くサメ好きを含む一般の人々は認識しているとさえ思っています。
サメが凶悪な殺人鬼であるかどうかは統計学上そうでないことは明らかなので、それ以前にサメが海で担う役割についてもっと評価すべきである、このことを拙いながらさきのHP上でもご紹介してきました。
あとひとつ、私はサメを学問として勉強するカリキュラムを正式に受けたことはありません。いわば在野で知識はかなり不確かなものばかりです。先に紹介した東海大学にはサメの研究室があり、そこで学びたいと私も幼いころにそのような希望を持っていました。
叶わずして今に至り、サメとは関係のない仕事をし、サメに関しては図鑑や書籍で知識を得ているのが私の現状です。そのことに特に不満はありません。
しかし私と違って、サメに関するアカデミックな教育を受けた方々が社会に出てサメの啓蒙普及をどのような形ででも発露する場があれば、それは素晴らしい活動であると私は考えています。
そしてそういう方々に長くサメ好きであってもらいたい、心からそう願っている次第です。
今日も海のどこかでサメは泳ぎ、獲物を追い、子孫を残すため必死に生を全うしています。 他の生き物も変わらないはずです。ただひとつ、人間を除いては。
サメは今の海の形になる前、クジラやイルカよりもっと前に太陽系の青い星、地球の海で生きてきた存在です。
彼らの遺伝子にはその記憶が深く刻まれているはずです。
科学の進歩は人を幸せにしたか?と、よく問われます。 科学は既に存在し、ヒトはそれに気付き始めたにすぎないのが、今です。そして科学に学ばない姿は今も昔も変わらないと感じます。
文明を得て知恵を失うことが科学ならば、それは人を幸せにするでしょうか。
サメは私にそんなことすら問いかけてきます。
サメは生命の鑑です。
その偉大過ぎる姿ゆえに、私は果たしてサメ好きを名乗ってよいのか、今も戸惑うことがあります。15年続いたサメサイトの結論は、つまりそれに落ち着く事となるのです。
旧サイトのコンテンツについて、いくつかは今後もブログで紹介することがあると思いますので、おまけを楽しんでもらえると幸いです。ブログはいわばHPの余生でもあります。蛇足などと思われても結構。
では気が向いたら、またお会いしましょう。
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