2016年、サメの情報をあれこれチェックしてますと、ニュースレターのチェック漏れで今年の1月だかに学術誌Zootaxaで、トラザメの新種が記載されているのが分かりました。
フカく!
じゃなくて「不覚」。
2016オリンピック開催地「リオ・デ・ジャネイロ」 の沖で捕れたトラザメ属の1種で、学名を「Scyliorhinus cabofriensis」と名づけられました。(added "sp. nov")
http://shark-references.com/species/view/Scyliorhinus-cabofriensis
大西洋沖、南米産で知られる種、Freckled catshark(Scyliorhinus haeckelii) とよく似た種ですが、カラーパターンやクラスパー、神経頭蓋に違いがあるようです。いわゆる隠ぺい種(今まで同じにされてきたけど違う認定)の扱いなのでしょうね。
昨年見つかった新種、Dark freckled catshark(Scyliorhinus ugoi)もかなりよく似た種です。同じ海域で毎年新種が出るのはいかがなものか。
望星丸のサメ・エイ対談で、東海大学の田中彰先生がおっしゃっていた、最初にきちんと種を分けておかないと、あとで研究がパーになるという話にも通じそうです。
田中先生の場合は、「フジクジラ」でしたが。
つまりは違う種を一緒くたにして研究してしまった場合、研究としては不完全なものになるのだそうです。
タイプ標本という、いわゆる種を見分けるうえで参考にする見本となる標本の段階で、混同されてしまうと台無しになるとのことでした。
先生曰く、違う種なのに群れで入り混じった状態で大量に捕れるので始末が悪いなんてぼやきもありました。
最近の新種発見の傾向は、このようなものが多くなっている気がします。
同じとされたものが実は違うという、新種あるある。
他方、1976年に見つかったメガマウスのような、とんでもないサメは海のどこかにいるかもしれません。
でも私たちに知られることなくひっそりと種が絶えることも否定できません。
なぜなら私たちは、研究が進んだとはいえ、まだサメのことを全然知らないに等しいのですから。
サメ全種一覧(サメサイト Haieのナカミ)
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