2019年7月16日火曜日

沖縄サメ紀行 海洋文化館と沖縄美ら海水族館

沖縄美ら海財団 海洋博記念公園を訪問


 沖縄県観光で最も注目度の高いスポットといえば県中部に位置する「美ら海水族館」でしょう。私自身沖縄は未踏地でしたので、こちらに訪れることも大きな目的でありました。

 今回私が沖縄を訪れたのは、シャークジャーナリスト沼口麻子さんの企画への参加が最も大きな動機付けでした。(詳細はお話しできません)

 夕方から行われる会ですので日中の時間に沖縄観光をする(これは各人バラバラです)という流れになります。私は美ら海水族館を会の有志とともに訪れました。

 水族館は、テーマパークを集めたかつて海洋博覧会が行われた広さ77haの会場を利用した、国営沖縄記念公園の一角にあります。
 3日間の訪問(毎日那覇市内からのアクセスで片道2時間!)で堪能することができました。
英書サメ図鑑、ステッカー&年間パス、海洋博時代の図鑑

 水族館の混雑は土、日、月いずれも超満員で、広めの順路を進むのもやっとなほどでした。ちょうど私たちが訪れたタイミングでは入館者数が5000万人を突破し、オリジナルステッカーを水族館入口で配布していました。3日訪問することが分かっていたので、年間パスポートを作りました。しかも年パスのデザインがこの3日間に限り、5000万人突破記念の特別仕様が選べ、迷わずそちらを選択しました。

美しいツマジロ(Silvertip shark)

 「黒潮の海」と呼ばれる8m超のジンベエザメが2頭もいる巨大水槽や、ツマジロと水族館繁殖のイタチザメが新しく展示された「サメ博士の部屋」と呼ばれるサメオンリーの水槽とサメの生態を詳しく解説するコーナーを堪能し、美ら海プラザという園外施設で、サメの標本や海にまつわる解説展示なども見学しました。

 あっさりした紹介だなと思われた方、ここから本番です。

 美ら海水族館は、サメ好きの間ではマストなロケーションです。つまりガイドも多く、今更感があるでしょう。
 
 サメ好きなら行くべき場所として、ここであえて美ら海水族館のお隣にある「海洋文化館」という博物館をご案内しましょう。


 海洋文化館は、沖縄が広い太平洋の島々とのつながりを持った文化に由来し、その精神的な拠り所も共通であるルーツを明らかにする博物館施設です。

 南西諸島の成り立ちと、これら太平洋の「ポリネシア」「メラネシア」「ミクロネシア」の島々は、いずれも海洋文化に根差したものです。サメをはじめとする魚や海洋生物の扱いは、日常で非常に色濃く反映され、漁猟に止まらず装飾品や衣装、儀式などイニシエーションの場でもその存在感は顕著です。

 沖縄はある種、延長線上ながら隔した場所であるが故に色彩は大陸文化も大和文化も混ぜこぜになった「チャンプルー」な存在です。

 特殊な色彩を帯びた沖縄の原色を辿る展示がいわば、この海洋文化館の意味するところであるでしょう。

 入館料は大人190円、12歳以下は無料という良心的価格です。
 美ら海の賑わいとは打って変わって観覧者もわずかで、静かで落ち着いた見学ができました。(月曜日観覧)

 サバニという伝統的な沖縄の帆船がホールに展示されています。特に海との結びつきが強い文化の象徴たるものです。アウトリガーという浮きを並行にした、漁労に威力を発揮する船です。

 さて、サメに関わるものとして、なんと水族館にいるジンベエとほぼ同じ大きさの8.2mのウバザメ剥製標本が展示されています。このウバザメは美ら海プラザで頭部とクラスパーを展示されている個体と同一のものだそうです。


 たしかにオスの標本でクラスパー(外性器)もあります。(その実物も美ら海プラザで展示)

 並んで展示されているコブハクジラの標本にも実はサメ要素が見れらます。体表の部分なのですが、ところどころに赤く皮膚をえぐられた傷が再現されています。恐らくダルマザメかカラスザメなどの小型のツノザメ類に採食された痕なのだと思います。
 

 謎の多いタイヘイヨウアカボウモドキというクジラの完全骨格標本なども非常に珍しいので一見の価値ありです。

 さて生物展示のオードブルからルーツとなる太平洋域の文化に触れていくことになります。サメはどのようにして太平洋の人々と結びついたのでしょうか?

次回へ続く

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